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とある地域に存在する巨大な城。地元の人々はこれを魔の城などと言って話にも触れようとはしないが実際は単なる公立の高校。
それこそ魔の城なんて呼んでいるのは地元の人だけでそこ以外の地域の人々はスポーツ最強の普通の公立高校という認識をしている。
スポーツが最強と言っても強いのは陸上競技だけでその他の部はせいぜい近畿大会進出が最高なレベル。陸上部は毎年多くの全国制覇者や全国出場者を生み出し続けている。
何十年も昔は表彰台を同じ学校で埋めたことがあるほどの実力。
流石に最近はそれほど最強ではないが大抵の競技の表彰台の一番高いところはこの学校が占めている。
そして俺――霧崎翔一も100mの全国覇者だった。

この高校の名は龍ケ崎高校。生徒数は620人と都会の学校と比べると少ないが全国からよりすぐりの人間だけを集めた学校。
俺もその学校の生徒の一員である。男女の生徒数は男子300人で女子が220人だ。
この学校は10年ほど前までは男子高だったのだがこの学校に入学したいと願う女子生徒たちが県に話を持ちかけたところすんなりと受け入れてもらえたらしい。
女子生徒の大半はスポーツでは特に秀でた才能はないが勉強が出来たりマネージャーに向いている子だったりとスポーツではなくその方面で優秀な人だけを集めている。
各部活には大抵5人ほどのマネージャーがついている。男子に関してはマネージャーをやっているものは1人としていない。部活に入っていない生徒は即刻退学処分となるからだ。

そして俺は今、高校最後のインターハイに出場しそして制覇した。1年の時からの3連覇だ。
初制覇したとき2連覇したときそして3連覇したときに常にそばにいてくれたのは木崎ゆりあという女子生徒だった。