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［＃１字下げ］勇者軍と魔王軍の兼業物語［＃「勇者軍と魔王軍の兼業物語」は大見出し］
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ふぁりあ
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［＃２字下げ］プロローグ［＃「プロローグ」は中見出し］

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［＃４字下げ］プロローグ［＃「プロローグ」は小見出し］

「返してっ、ねえ返してよっ！」
　

　お気に入りの人形を奪われた少女は必死に叫びながら追いかけるが、人形を持った男子の方が足が速く、追いつくことができなかった。
　

　幼稚園の園庭での出来事である。いつもなら先生が注意し人形を取り返してくれるところだが、別の場所で起きた男子どうしのケンカに構ってしまっているせいで、少女の危機に気づいていない。
　

「追いついたら返してやるよ」　
　

　自分のほうが足が速いと確信したその男子は、人形を振りながら少女を挑発する。
　

　決して悪意によるものではなかった。どの年代の男子にでも備わっている、気になる女子にちょっかいを出したくなるという性によるものであった。だから彼も、少女が泣き出す前には返そうと思っていた。泣かせてしまっては、後で怒られるのは自分だ。
　

　少女の声に涙が混じる。これはまずいと思った彼は、「わかったよ」と言いながら少女に歩み寄った。乱暴な方法ではあるが、どうしても彼は少女に構って欲しかったのである。おそらく、これが彼の初恋なのだろう。
　

　が、彼が少女のもとへたどり着くことはなかった。
　

　

　

「シャイニィィィング・・・・・スラァァァッシュ！」
　

　当時放送されていた戦隊ヒーローの必殺技を叫びながら、一人の男子が彼に痛烈なチョップを繰り出したのだ。少女しか見ていなかった彼は横から飛んできたチョップを鎖骨のあたりに思い切り喰らい、尻餅をついてしまった。
　

「なにすんだよっ！」
　

「シャイニィィィング・・・・・バスタァァァ！」
　

　という名の飛び蹴りによる追撃。実際は巨大ロボが放つビームの事であるが、まあ何でもいいのだ。これも見事にヒットし、彼の手から人形がこぼれ落ちた。少女より先に、彼が泣き出してしまった。とんでもなく痛かったのだ。
　

　シャイニングの男子は人形を拾い上げ、砂を払うと、それを少女に返した。
　

「あ・・・ありがとう」
　

「それ気に入ってるやつだと？家に置いてこないと失くしちゃうぞ」
　

「でも、ずっと持っていたくて・・・」
　

「じゃあ、誰かに持っていかれた俺に言えよ。すぐに取り返してやるから」
　

　シャイニングの男子は得意げに言った。技が上手く決まって満足しているようだ。
　

「うんん。・・・あ、でも、泣かしちゃったのは謝らないと・・・」
　

　人形を奪った彼はまだ泣いていた。その鳴き声で先生も何かあったと気づいたようだ。
　

「いいんだ。涙の数だけ強くなれるって誰かが言ってた。アスファルトに咲く花のようになれるんだって」
　

「あすふぁるとって何？」
　

「知らん」
　

　シャイニングの彼もある意味で乱暴だった。先生にばれると捕まって怒られて遊ぶ時間が減ってしまうので、シャイニングの彼は少女の手を引いてその場を離れることにした。
　

「いつもありがとう」
　

　こうやって少女を助けるのは、今日が初めてではなかった。
　

「俺はいつでもお前の味方だから」
　

「・・・本当に？いじめたりしない？」
　

「しない！ずっとお前の味方だ！」
　

　少女は手を引く少年の背中を見つめながら、笑った。
　誰が予想できただろう。
　

　その時はまさかこんな形で敵対することになるんて、思いもしなかった。


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［＃２字下げ］第１章　～無線LANと始業式～［＃「第１章　～無線LANと始業式～」は中見出し］

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［＃４字下げ］第１話［＃「第１話」は小見出し］

　クラスメイトの平手友梨奈があるネットゲームにハマっているという情報が広まったのは、中間テストが終わった６月の最初だった。その情報はクラスから学年へとあっという間に伝わっていくことになる。
　１年Ｃ組の平手友梨奈は学年で一番かわいい女子であるということは男子たち共通の認識であり、そこに異議はなかった。綺麗な黒髪は肩のあたりまで、暇な奴が調査した結果、日替わりのヘアピンは計２３種類。ぱっちりした目に唇は薄め、帰宅部ながら運動神経はよく、体育の授業では女子の中で一番はしゃいでいる。
　

　明るい性格で、男子ともよく喋る。かといって媚びるような素振りもなく、女子を敵に回すようなこともない。言ってしまえばでき過ぎな女子だった。
　そんな友梨奈がネットゲームに夢中だと知ったとき、意外に思ったやつは少なくないだろう。勝手なイメージだが、ネットゲームなんてくらい人間がやるものだと思っていたからだ。テレビで引きこもりの特集が流れると、そこにはインターネットがもれなくついてくる。ネットゲームのために学校を辞めた、仕事を辞めた、起きている時間はほとんどゲーム。もちろんそんな人は一部なのだろうが、その一部をテレビが取り上げるので、やはりネットゲームの悪い印象は払しょくできない。友梨奈が自分からカミングアウトしなければ、友梨奈とネットゲームを結びつけることはできなかった。
　

　ともかく、友梨奈がネットゲーマーであることを明かしたことで、クラス、いや学年の男子たちが動きだした。友梨奈と同じゲームをはじめることで、友梨奈と共通の話題を持つことができ、接点を増やせる。しかもネットゲームだから、上手くいけばゲームの中でも友梨奈と行動を共にすることだって可能だ。
　まったく、男ってのはいつだって浅はかである。
　そして初島理央も、その浅はかな男の一人だった。
　

「母さん、頼みがある」
　夕食を作る母の背中に、理央はできる限り真面目な声で言った。
「なに？弟がほしいなら無理よ。私はまだいけるけど、お父さんがもうダメだもの」
「生々しいこと言うなよ！」
　というより、妹がいるからもう下はいらない。
「じゃあ何？」
「自分用のパソコンが欲しいんだ」
「『そういうの』観るならお父さんのポータブルプレイヤーがあるでしょ。それを使いなさいよ」
「違えよ！」
「それにお父さんのコレクションの場所も知ってるから、バレないように借りてきなさい。女教師モノが多いけど、贅沢言わないでね」
　

　父が不憫でならない。でも場所はあとで教えてもらおう。そういえば母は結婚するまで中学の教師だった。ある意味で納得した。ある意味ですげえよ父。
「違うんだよ母さん。流行ってるゲームがあって、それがやりたいんだ」
　淡々と料理をする母に、理央は切実に訴える。
「ゲーム？パソコンでやるの」
「そう。ネットゲームなんだ。クラスのみんながやっててさ・・・」
「友達がやってるから」というのは小学生みたいな理由だと自分でも思うが、事実、クラスの大半の男子はすでにゲームに参加していて、話題についていけないこともある。
「ゲームだったら、自分のお小遣いで買うべきなんじゃないの？ゆりあはお金貯めてパソコン買ったじゃない」
　それを言われると辛い。２つ下の妹は、お小遣いとお年玉を堅実に貯金し、自分用のパソコンを買っている。理央はというと、中学卒業後の春休みに友人と遊ぶために使ってしまい、貯金はほとんどない。
　

「だからその、出世払いってのは・・・」
「あんたが出世できるとは思えないけどねー」
「それ息子に言うか！？」
「だいたい、出世の定義が難しいでしょ。もし自営業なら何をもって出世とするか決めておかないと」
「そこまで細かい話じゃねえよ！」
　くそう。母を納得できないとなれば、父に頼んでも結果は見えている。我が家の財布の紐は母が握っているのだから。
「じゃあ夏休みバイトしていいか？」
　自分の金で買えと言われたなら、方法はこれしかない。お小遣いを貯めて買おうと思ったら年単位の話になる。幸い、学校では禁止されていない。
「いいわよ。っていうか、そういいだすのを待ってたんだけどね。どうせ部活やってないんだから、暇な時間で軽く社会勉強してきなさい」
「・・・なんか親っぽい子と言ったな」
「親だからね。ま、『バイトでも結構稼げるじゃん。だったら正社員なんかにならなくてもよくね？』って勘違いしない程度に頑張りなさい」
「また生々しい！」
「ほら、二軒隣の次男くんなんかがそうでしょ？３０近いのに」
「やめてあげて！」
　

　こうして、理央の夏休みはアルバイトで埋まることになった。中学時代の友人がすでにコンビニで働いていたので紹介してもらい、自分でも驚くほど簡単にアルバイトを始めるに至る。
　


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［＃４字下げ］第２話［＃「第２話」は小見出し］

　友人が一緒というのは心強く、理央が働いていることを知った別の友人がからかいに来たりと、それなりに楽しく働くことができた。しかし、すでにパソコンを持っている妹によれば、ネットゲームをやろうと思ったら性能のいいパソコンを買ったほうがいいらしい。もちろん性能に比例して値段は高くなり、今のままでは足りないと思った理央は、コンビニのシフトが入っていない時間に映画館でのアルバイトを入れた。
　

　こうして夏休みにコンビニでレジを打ち続け、映画館でチケットをもぎり続けた結果、理央はまとまった金を手に入れた。給料日は先になるので、正確には給料としてもらえる分のお金を母から借りたのだが。
　父に車を出してもらい、労働で得た現金を握り締め、家電量販店で店員に訊いてゲームに適しているパソコンを買ったのが八月三十一日のことだった。かわいい女子と仲良くなりたいという理由だけで、男はここまで頑張れるのである。
　クラスメイトたちからは三か月ほど遅れてのネットゲーム参入となったが、まあ仕方ない。
　ほとんど遊ばずにアルバイトに明け暮れた自分を褒めてやりたい。
　

　パソコン関係に疎い理央は設置に苦労したが、なんとか新品のパソコンを起動した。
「おぉ、ついたついた」
　電源が入っただけで思わず独り言が出てしまった。
　理央が買ったデスクトップパソコンは、本体とディスプレイが黒いデザインだ。理央は想像する。このパソコンを人間に例えるなら、黒い髪が美しい、年上の女性に違いない。八月に自分のもとへやって来たから、「葉月さん」と名づけよう。
　

　現在夜の八時、まだ時間はある。よし早速始めよう。すでに始めているクラスメイトによれば、店でソフトを買わなくても、インターネット上で登録して、ダウンロードとかいうやつをすればいいらしい。利用料として毎月１５００円かかるというので、言われるがままにプリペイド式の電子マネーを買ってある。
「・・・あれ？」
　始められない。というより、インターネットに接続できない。ネットゲームなんだから、インターネットができなければ話にならない。
　ここは詳しい妹に訊くしかあるまい。もはや自分の手には負えない。
「ゆりあー、入るぞ」
　隣の部屋で妹のゆりあはパソコンに向かっていた。
「どしたの？」
　パジャマ姿のゆりあはくるりと椅子を回した。いつもはツインテールにしている髪も、風呂あがりなので下している。
「インターネットができない。どうすりゃいいんだ？」
「そりゃ設定しないとできないっしょ。ちゃんとした？」
「設定って、今のパソコンはインターネットもついてくるんだろ？」
「え、何その残念な発言・・・。兄ちゃん、ホントそっちの知識ないんだね。無線ＬＡＮって聞いたことある？」
　ゆりあは引いているようだった。
「ムセン・ラン？あの台湾の歌手の？歌も上手いけどダンスもなかなかいいよな。グループ抜けてソロになるって聞いたときは驚いたけどよ・・・」
「いいよ無理に知ったかぶらなくて」
「くっ・・・」
　ゆりあはパソコンの横に置いてある、白くてよく分からない物と、くろくてよくわからない物を指した。

「これがモデムで、こっちがルーター。うーん、なんて言ったらいいかな。モデムでネットをできるようにして、それからルーターで複数のパソコンでネットができるように広げてるって感じかな」
「モデムがコンセントで、ルーターってのがタコ足配線みたいなもんか」
「兄ちゃんって、理解は無駄に早いよね。で、兄ちゃんが持っているトンカチは何に使うのかな？」
　念のために持ってきていたが、どうやら活躍しそうである。
「ルーターを俺のと繋がないといけないだろ？壁に穴あけねえと」
「・・・兄ちゃんさ、物心ついた時から面白くなかったことないよね」
「そりゃどうも。んじゃ、穴開けるからベッドどかすぞ」
「無線だってば！ルーターから、えっと・・・『ネットできる電波』が出てて、それをパソコンで受信できるようにすればいいの！」
「そんなことできんのか？すげえな葉月さん」
「急に誰！？」
　

　パソコンに名前をつけたと言ったらゆりあは引くよりも呆れたようだったが、ともかくゆりあから設定に使うＣＤを借り、葉月さんは無事にインターネットを習得した。


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［＃４字下げ］第３話［＃「第３話」は小見出し］

　やっとのことで理央は自分のパソコンを手に入れ、ゲームを開始することができた。まさか夏休みがアルバイト漬けで終わるとは、入学した時には想像すらしていなかったことである。
　

「お、これだ」
　友梨奈が参加しているネットゲームは、名前を「勇魔戦争オンライン」という。教室で喋っている友人たちの話を総合すると、まだリリースされてから日が浅く、参加者も他と比べると少ない。もっとも理央は「他」を知らないので参加者の数には興味がない。
　オーソドックスな感じのファンタジーな世界の中で、勇者軍と魔王軍が戦争をしている。プレイヤーはゲーム開始時にどちらの軍に所属するか選び、モンスターを倒してレベルを上げ、同じ軍の仲間と共に敵の領地に攻めていく。このゲームは、プレイヤーどうしの戦いを醍醐味としているのだ。
　理央は迷わず勇者軍を選択。何故なら友梨奈が勇者軍だからだ。仲良くなるためにやるのだから、敵側に回ってしまったら意味がない。キャラクターの名前は「リオ」。
　本当なら好きな名前を考えるところだが、実名を使うのには理由がある。友梨奈との交流を目当てに始めた男子が多いせいで、友梨奈が使っているキャラクターの周りには同じ学校の生徒があふれかえっている。実際の知り合いが集まっているのだ。そこで生まれたのが、「本人を特定できる名前を使うこと」という暗黙のルールだ。ゲームの中で誰が誰のなのかわかっている状態だと、抜け駆け、裏切りといったような悪事ができなくなる。そんなことをした次の日には、学校での制裁が待っている。そして何より友梨奈に嫌われてしまう。そうやってお互いをけん制するためのルールだった。そのルールを友梨奈が受け入れたので、男子たちは律儀に守って本名を使っている。
　性別を決めて、次は職業である。理央はすでに剣士にしようと決めている。冒険をするならやっぱり件で戦いたい。そういえば、友梨奈の職業は何なのだろう。まあ、明日から学校が始まるから、そこで訊けばいいや。
　

　と、職業を選ぶ画面に移ったところで、理央は不思議なことに気づく。どうにもわけが分からないので、勇魔戦争オンラインの先輩であるクラスメイトの堀田夏樹に電話することにした。
「夏樹、ちょっといいか？俺さ、勇魔戦争オンラインを始めたんだけどさ」
『マジで？やっとパソコン買えたか。もち勇者軍だよな」
　夏樹は入学してから最初に仲良くなった友人で、サッカー部に所属している。友梨奈にお近づきになるためにすぐにゲームを始めたが、運動部の宿命として、頻繁にログインできないことを嘆いていた。
「ああ、勇者軍を選んだんだけどさ、職業ってこれ自由じゃねえの？なんか質問攻めにされてるんだけど」
　職業選択画面には生年月日や趣味を入力するところがあって、素直に入力したら今度は四択の質問が始まったのだ。
『そうなんだよ。質問の答え次第で勝手に職業が決められんの。何気に斬新じゃね？』
　夏樹が言うには、後から転職もできるが、納得がいくまでキャラクターを新規作成する人もいるらしい。しかしそれだとこのシステムの意味がないので、理央はどんな職業になってもやり直さないと心に決め、質問に挑んだ。
　

　



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［＃４字下げ］第４話［＃「第４話」は小見出し］

　質問１　あなたの好きなラーメンの味は？
　①とんこつ
　②とんこつ醤油
　③塩とんこつ
　④とんこつ
　

　質問２　もしもピアノが弾けたなら？
　①弾く
　②弾くかもしれない
　③気が向いたら弾く
　④よく見たらピアニカだった
　

　質問３　なんとなくわかるんだけど書けない漢字は？
　①挨拶
　②孕む
　③糊
　④蒟蒻
　

　・・・これで何がわかるというのか。
　無意味に近い20個ほどの質問に答え、やがて画面に職業が表示された。
　"あなたに適した職業は料理人です"
「なんか冒険しなさそうなのになったぞ！」
『うわ、料理人とか逆にレアだわー』
　電話の向こうの夏樹は笑っている。夏樹もこれからログインするらしいので、ゲームで会おうと言って電話を切った。
　

　何になっても文句を言うつもりはなかったが、料理人とは。っていうか、どうやって戦うんだよ。
　それから四頭身くらいのキャラクターの髪型、目の形や色を決めた。自分に近いものを選んだつもりだが、似ているかどうかはわからない。
　すると、ムービーが流れ始めた。たくさんの人が二つの陣営に分かれて戦っている。剣と槍が交わり、火や水の魔法が飛び交う。勇者軍と魔王軍の対立を現わしているようだ。画面が切り替わり、とある村に移った。そこに一人の少年が立っている。ベースは白いコック服だが、腕と脛の部分が鎧に覆われているという一風変わった出で立ちのセンシ。画面が黒くなり、白抜きの文字で「あなたが勇者軍を勝利に導くと信じて」と大きく表示され、ムービーは終わった。
「なんかいいじゃん」
　こうして料理人「リオ」は、勇魔戦争オンラインの勇者軍のメンバーとして誕生した。もし魔王軍で始めていたら、少し違ったムービーが観られたのだろう。
　

　最初は小さな村から始まり、簡単な説明を受ける。初期装備を確認すると、料理人らしく武器はフライパンだった。こんなものだろうと思っていると、「ナランの骨」というアイテムを持っていた。何の効果があるのかはわからないが、ＳからＥに分けられているレア度のうちＢランクだった。なかなかいいアイテムなのではないだろうか。そういえば、最初にランダムでアイテムが与えられ、運が良ければレアな物が手に入ると夏樹が言っていた。
　

　とりあえず売らずに持っておくことにして、理央は村の中をうろうろしてみた。が、すぐに飽きて村の外に出ることにした。やはりゲームといえば戦闘。最初の村の周りなんて、どうせスライムみたいなモンスターしかいないだろう。夏樹が来るまで、少しでも経験値とお金を稼いでおこう。ＨＰが減ったら村に戻って回復すればいいし。
　理央の思惑通り、村の外には外見でザコとわかるモンスターがいて、フライパンでも十分に勝つことができた。


