［＃ページの左右中央］

［＃１字下げ］こんなことがありました［＃「こんなことがありました」は大見出し］
［＃ここから１６字下げ］
［＃ここから２０字詰め］
光圀
［＃ここで字詰め終わり］
［＃ここで字下げ終わり］

［＃ページの左右中央］

［＃２字下げ］大塚光圀×指原莉乃［＃「大塚光圀×指原莉乃」は中見出し］

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［＃４字下げ］小さくなった彼［＃「小さくなった彼」は小見出し］

　目覚まし機能で時間通り起きた私に昨日まであったはずの温もりが消えた。
　その代わり布団が小さく膨らんでいた。
　布団をめくってみると幼稚園児くらいの男の子が丸まって寝ていました。
　まさかと思って、服を着て、男の子を起こしてみる。
「ねぇ、起きて。」
「え？お姉ちゃん。誰？母ちゃんと父ちゃんは？」
「私は指原莉乃。君の名前は？」
　昨日まで隣にいた彼のいた場所にいた男の子。魔法とかがあると仮定すれば答えは一つ。
「俺？俺は大塚光圀。母ちゃんと父ちゃんは？」
　やっぱり光圀だった。お父さんとお母さんしか身寄りがいなかったって言ってたから、死んでいるなんて言って信じるかな？
「旅行に行くって言っていたよ。それよりお腹空かない？」
「お姉ちゃん。ご飯、作れるの？」
　ちょっと生意気だけど可愛い。光圀ってこんな子供だったんだ。私が光圀の子供生んだら、って何考えているの？私。
「冷蔵庫の中身次第かな？」
　裸のままじゃちょっとまずいと思って、タオルを巻いてあげた。そして、キッチンに向かう。
　冷蔵庫の中はあまり無かった。
　そう言えば、昨日でいう明日。早い話が今日買い物デートに行く予定だったっけ？
　未開封のコーンフレークを見つけたので、それを二人で食べることにしたが課題があることを忘れるところだった。
　尾崎さんに電話を入れないといけないのだ。
　電話はすぐに繋がった。
「あぁ、指原。どうした？」

「大塚さんから風邪ひいたって連絡が入ったので電話してます。」
「・・・そうか。お大事にって伝えてくれ。大塚君って一人暮らしだよな？看病の必要があるんじゃないか？」
「私が今向かってます。心配いりません。」
「あまり長居して風邪移されるなよ。」
「はい。失礼します。」
　電話が終わると、彼が叫んでいた。
「お姉ちゃん。お姉ーちゃん。」
「どうしたの？」

「僕、トイレ行きたい。」
「ごめんね。どっち？オシッコ？うんち？」
「オシッコ。」
　チビ光圀。可愛い。なんて思いつつ、抱っこしてお風呂場へ。
「排水溝にしてね。」
「うん。」
　子供とはいえ、勢いの良い放尿を終えた光圀の股間を洗い、さっきのタオルで拭きあげた。
「さて、ご飯、ご飯。」
　そう言って走り出したチビ光圀の身体が光ると、私のよく知る光圀に戻っていた。
「うおっ！なんで俺、裸なんだよ！？」
　独り言を吐くと光圀はそそくさと寝室に向かった。
　チビ光圀の写真撮っておけば良かった。
　尾崎さんに風邪だって言ったのを思い出して、光圀の元に向かった。
「光圀。尾崎さんからの伝言。今日、リフレッシュ休暇だって。」
「なんでだよ。」
「実はね。・・・」
　さっきまで小さくなっていて、風邪だと言う嘘をついて誤魔化しておいたって言ったら、お仕置きというなのエッチに走られた。


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［＃４字下げ］将来の練習？［＃「将来の練習？」は小見出し］

　俺は大塚光圀。最近、アイドル指原莉乃と恋仲（肉体関係のある異性で同居人）になった。
　朝に弱いから目覚まし時計三つセットしている。
『ジリリ、ジリリン』
　おかしい。今日の莉乃は劇場講演で俺と同じ時間で良いのに、こういう日は俺を起こしてくれるのに、目覚まし時計が作動？とりあえず起きよう。
　記憶はないけど、俺が幼児化するってことがあったけど、今度は莉乃が幼児化したらしい。
　それにしても可愛い。寝顔だけでこの威力。
「起きて。」
「え？お兄ちゃんは誰？」
　俺も幼児化したとき記憶がなかったらしいから仕方ないか。
「俺は大塚光圀。君の名前は？」
　目線を子供の高さに合わせて怖がらせないように笑顔でゆっくりと、分かっていても名前を聞く。
「莉乃ちゃん。四歳でしゅ。」
「名字、上の名前は？」
「しゃーはら」
　喋らせたらさ行が言えなくて余計に可愛い。
「莉乃ちゃん。お腹空かない？」
「莉乃ちゃんお腹空いた。」
　タオルと荷造りヒモでパンツの代わり、古いシャツを着せる。
　着終わったチビ莉乃を待たせて自分も服を着る。
「抱っこ」
　チビ莉乃の身体を抱っこして、食卓に向かう。
　絵面は完全にイクメンパパと娘だ。
　チビ莉乃を抱っこしながらバター、ケチャップを皿に移し、レンジにかける。
　ご飯を茶碗によそい、生卵をご飯に落とし、温まったケチャップを入れたらチキンライス風卵かけご飯になる。
　若干不安に感じているチビ莉乃、大人である俺が笑顔で食べる。
「我ながらおいしいな。莉乃ちゃんも遠慮なく食べてね。」
　まずいなんて言わせる料理はとうの昔に卒業した。
　チビ莉乃の口に一口目が入ったのを確認した。
「おいしい。」
「そうだろう。」
　その後も時間をかけて、ご飯を食べた。
「ごちそうさま。」
「お兄ちゃん。莉乃ちゃ、眠くなった。」
　元々胃は小さいからあれだけでもお腹一杯になるわな。
　もう寝ちゃった。
　ベッドに運んであげ、掛け布団をかぶせ、急いで歯を磨いて、ベッドに戻った。
「莉乃、愛している。」
　小さくなった恋人に口付けをし、俺の腕の中に収めて、俺も眠りにつく。
　次目を覚ましたときに元の彼女に戻ることを祈りながら。
「ギャー！？」
　元に戻った彼女の第一声で最悪な目覚めを迎えたが、これでいつか本物の父親になれる。
　そして、俺の子供を産んでくれる母親は・・・。
　その候補である彼女を抱き締めた。
「おはよう、莉乃。」
　

　



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［＃４字下げ］福岡タワーの伝説［＃「福岡タワーの伝説」は小見出し］

　出勤した光圀を遥（兒玉）が待っていた。
「あれ？奥さんは？」
「おいおい、兒玉。俺まだ独身だぞ。」
「あー。じゃあ彼女さんは？」
「誰のことを言っているんだ？」
「またまたとぼけちゃって。さっしーに決まっているでしょ。」
「交際しているわけじゃないから。」
「さっしーが捻挫したとき、誰よりも最初にさっしーのところに行ったのに？出張明けで急にお姫様抱っこで二人して消えたのに？まだ交際していないと？」
「デートってデートがまだなだけだよ。退院明けから俺の家で一緒に住んでいるよ。ただ俺も彼女いない歴が長いからどこに行こうかって。」
「そんな大塚さんにおすすめのデートスポットはやっぱり福岡タワー。」
「何か乗り移っているぞ、兒玉。いやぁ、あいつも忙しいから連れ回すのは気が引けるし」
「そんなこと言って、さっしーが誰かに取られても良いの？」
「行けば良いんだろ。行けば。」
　こうして光圀は莉乃と福岡タワーに行くことになった。
　リハビリを兼ねているが、タワースタッフには莉乃の足の関係は伝えておいた。
　五階で二人は今はなきホークスタウンと光圀の家方面を見たが、山に遮られ、ほとんど見えるわけがなかった。
　そして、カップル達の聖地である三階に降りた。
　他のカップル同様、愛鍵を着けた。
「莉乃。子供出来ていると良いな。」
「馬鹿。」
「帰ろう。我が家に」
　光圀は莉乃の手をとると、ゆっくりと自家用車に向かって歩いていった。


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［＃４字下げ］懐妊［＃「懐妊」は小見出し］

　今日も朝がきた。
　莉乃が先に起きて、光圀の寝顔を堪能するのがこの家の朝である。
　そして、光圀は目覚まし時計で起きる。
「おはよう、莉乃。シャワー浴びておいで。」
「はーい。」
　ゆっくりと莉乃は浴室に向かい、光圀は朝食を作りだす。
　服を脱ぎながら莉乃は自身の身体に違和感を感じた。
（嘘！？周期的に今日は生理で血が出てくるはずなのに。もしかして、妊娠？）
　光圀と生で膣内射精のエッチをしたことがある莉乃にとって、予想はしていたことだが、世間がまたなんと言いだすか不安になった。
「莉乃。遅かったな。どうかしたのか？」
「光圀。落ち着いて聞いて。出来たかもしれない。」
「生理周期はたまに遅れる人もいるから、なんとも言えないけど。可能性はあるな。莉乃。もし、出来ていたとしたら、お前がどうしたい。俺は世界を敵に回しても君と子供達を愛したい。」
「ありがとう。光圀。そう言ってくれるなら、痛い思いしてでも、産むから。検査薬買ってきて。」
「わかった。陽性だったら結婚しよう。」
　光圀はその日のうちに検査薬を購入し、見事に陽性反応が出るのだった。
「莉乃。穴井からの伝言で女の子だったら、千尋って名前にするけど良いか？」
「言われなくても私もそうしようと思っていた。」

「それじゃ、改めて。莉乃、俺と結婚してほしい。」
「仕方ないから結婚してあげる。」
　二人に課題があるがそれはまた次回に語るとしよう。


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［＃４字下げ］穴井の観察日記［＃「穴井の観察日記」は小見出し］

　穴井千尋は日記をつけていた。
　もうすぐ６月、１月に福岡に帰省したとき、碧唯から光圀と莉乃が結婚したことを聞いていた千尋は、二人を観察していたページを久しぶりに読み返すことにした。
　１月〇日。私と芽瑠ちゃんのお誕生会を兼ねて、あの人とさっしーと回転寿司に行った。
　やっぱり、二人はお似合いの夫婦だなと思った。
　４月〇日。大塚さんに本を借りていた私は読み終えた本を返しに行った。
　大塚さんの念仏のように言っている言葉『ご飯、否、飯。飲みに。食事・・・』は私達には解る。
　あれはさっしーを口説く為の言葉、食事に誘おうとして、私のことにしばらく気がついていなかった。
　５月〇日。これは私がトイレから出たときのことだった。
　今度はさっしーが鏡に向かって念仏を唱えていた。
「好き、大好き、愛している、アイラブユー、ジュテーム・・・。」
　二人が両思いだとは思っていたけど、二人とも重症みたいだ。
　６月〇日。大塚さんが倒れた。
　さっしーのことをうわごとで呼んでいた。
　さっしーにすぐ私は連絡を入れた。
　さっしーは飛行機を使っているのもあるけど、飛んで大塚さんのもとにきた。
　７月〇日。入院中の大塚さんにさっしーは可能な限り、面会に行っていた。
　やっぱりお似合いすぎて私や他の子が入る隙間はないのに、二人は何を躊躇するんだろう。
　８月〇日。私は二人の答えが知りたくて思いきって聞いてみた。
「大塚さん。さっしーのこと好き？」
「好き、だよ。穴井も、兒玉も・・・、みんなのことが。」
「私が言いたいのは」
「穴井。俺は、もう二度と愛する人と離れたくないんだ。」
　大塚さんはさっしーのことそこまで考えているんだ。
「さっしー。大塚さんのこと好き？」
「どうしたの、急に？週刊誌か何かの回し者になったの？良い人だとは思っているけど・・・」
　さっしーは恋愛禁止条例が頭にあるんだ。
　結論。大塚さんとさっしーは恋愛禁止条例の為に本当は両思いだけど、気持ちを隠している。（隠しきれてはいないけど）


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［＃４字下げ］千尋誕生［＃「千尋誕生」は小見出し］

　六月十七日。
　遂にこの日がやってきた。
「光圀。光圀。」
「今、トイレ中！移動開始してくれ。」
　大事な日なのにこの家にはムードがなかった。
　陣痛が来るのは突然のことがほとんどの為、仕方がない。
「大塚莉乃です。陣痛がきました。これから向かいます。・・・よろしくお願いします。」
「莉乃。お待たせ。千尋、まだ少し出てくるのを待っていろよ。」
　二人は病院に向かって出発した。
　二人は事故なく無事に病院にたどり着き、いよいよ千尋を出産するときとなった。
「莉乃。頑張ってくれ。千尋、もう大丈夫だよ。パパとママに顔を見せてくれ。」
「大塚さん。力んでください。」
「ヒッヒッフー。ヒッヒッフー。」
　数分後、病院内に産声が響いた。
「千尋。ママだよ。これからよろしくね。」
「千尋。生まれてきてくれてありがとう。莉乃。本当にありがとう。」
　光圀の目には涙が光っていた。
　光圀は莉乃の両親、尾崎さんに連絡を入れ、最後に彼女に連絡を入れた。
「穴井。元気にやっているか？」
「どうしました？大塚さん。」
「長女が産まれたから連絡を入れているんだ。ありがとう。」
「私は何もしていませんよ。」
「そんなことはないさ。」
「大塚さんがさっしーのことを思い続けたからですよ。」
「こっちに帰ることがあったらうちの娘の顔見に来てくれよ。」
「考えておきます。それじゃ」
「あぁ。」
　光圀は家族の待つ病室へと戻っていった。
　その顔は柔らかい笑顔だった。


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［＃４字下げ］お見通し［＃「お見通し」は小見出し］

　光圀は役所に届けを出し、莉乃、千尋を病院に残し、自宅に帰ってきた。
「みっちゃん。」
「宮田さん？」
「ちょっと上がって良い？」
「え、えぇ。」
　光圀に声をかけてきたのは隣に住んでいる宮田さんである。
　光圀のことはみっちゃんと呼んでいる。
「お邪魔します。」
「どうしました？宮田さん。」
「子供が産まれたんでしょう。」
「え？いやぁ、言いましたっけ？」
「貴方の御両親が引っ越してきたときから、二十八年付き合っているんだもの。分かるわよ。」
「ひょっとして・・・」
「うん。アイドルの指原ちゃんと結婚したことも、同棲していたことも、その前はバラエティの企画かと思ったけど、他に六人と生活していたこともみーんな知っていたわよ。」
「やっぱり。」
「私が言いたいのはこれからも私達御近所さんを頼ってちょうだい。それと、奥さんと子供を今度私達にも紹介してちょうだい。」
「はい。・・・ありがとう。宮田さん。」
「他にも言わないといけない人いっぱいいるけどね。」
「もしかして・・・？」
「うん。みーんな知っているわよ。」「ありがとうございます。」

　御近所さんにも頭が上がらない光圀なのだった。


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［＃４字下げ］面会［＃「面会」は小見出し］

　莉乃は千尋に母乳を飲ませながら、千尋がどっち似かを考えた。
　この間見た光圀の写真からして自分に似ている気がする。
　お腹がいっぱいになったせいか目が閉じていく千尋。
「千尋、ゲップしてから寝んねして。」
「ケプ」
「はい。おやすみ、千尋。」
　千尋の寝顔を見て、莉乃の顔は綻んだ。
　その後、暫く病室でゆっくりしている莉乃だった。
　そこに訪問者がやってきた。
「莉乃。」
「お父さん、お母さん。お兄ちゃんまで。」
「いやぁ。孫の顔が早く見たくて。」
「莉乃。大変だったでしょう？」
「旦那さんは？」
「家にいるから、色々していると思うよ。御両親に報告したり、誰か来ても良いように掃除とか。」
「そういえば子供の名前は？まだ名付けていないなら・・・。」
「私達はメンバーの間で夫婦って結婚前から言われていたから、メンバーの名前から千尋にしたわ。それに本人が名付親だからね。」
「良い名前ね。」
「千尋。おじいちゃんとおばあちゃん、おじちゃんが来たよ。」
　千尋は寝たままだった。
「抱っこして良いかな？」
「気をつけてよ。お父さん。」
　千尋が祖父の腕に抱かれたとき、彼女の目が開いて、悲劇が起こった。
「えーん、えーん。」
　千尋は泣き出してしまったのだ。
「お、おい。」
「お父さん。私が替わるわ。」
「すまん。」
　祖父から祖母の手に渡ると千尋は泣き止んだ。
　〇
　本日最初の光圀登場である。
「莉乃。義父さん。義母さん。義兄さんもお久しぶりです。電話をいただけたらお迎えにあがりましたのに。」
「光圀君。堅苦しい挨拶はやめないか。」
「はい。」
　光圀は莉乃に向き直った。
「莉乃。昨日大丈夫だったか？」
「別に変わらないけど。」
「そうか。千尋を抱っこさせてくれ。」
「はい。千尋、パパだよ。」
（わしらで散々泣いたんだ。光圀君も泣かれるはず。）
　しかし、祖父の考えとは真逆のことが起こった。
「えー。」
　千尋は泣き出すどころか、笑い出したのだ。
「千尋。おじいちゃん達に抱っこされたのか？」
「抱っこされて泣いちゃって。お母さんは大丈夫だったんだけど。」
「なぁ、光圀君。何かしてきたのか？」
「へ？いつも通り炊事、洗濯とか変わったことはしていないですけど。」
「ほとんど光圀がやってきたからね。」
（主夫親父でそっちの匂いを感じていたわけか。）
　義兄はすごい分析力があった。
　〇
　その後も千尋はメンバーやスタッフに抱っこされたが、光圀以外の男性に泣き、女性に抱かれされると無反応だった。
『千尋は光圀を完全に父親として認知している。女性に無反応なのはちょっと悔しいな。』
　ある日、莉乃がそんな日記をつけているのだった。


［＃改ページ］

［＃４字下げ］無防備［＃「無防備」は小見出し］

　例のごとく、仕事を終えて光圀は自宅に帰った。
「只今。」
　玄関の鍵を開けて、帰宅した旨を伝えたのに返事がなかった。
　リビングに行っていない彼女達は仲良く寝室でお昼寝というよりはガチ寝をしていた。
　光圀はカバンを置いて、エプロンをかけて、イクメンモードになった。
「千尋。只今。」
　そっと千尋をベビーベッドに移す光圀はもう良いパパだ。
「風邪ひくぞ。」
　莉乃にタオルケットをかけた光圀は、一瞬フリーズした。
「無防備すぎる莉乃が悪いんだ。・・・チュッ。」
　光圀は莉乃に久しぶりの口付けをした。
「ママ。初めての子育て。お疲れ様。」
　ねぎらいの言葉と共にもう一度口付けをする光圀。
　その内心で何も起こってなくて良かったと思う半面、二人目をいつ頃作ろうかという複雑な思いを抱いていた。
　二人の愛しい女性を起こさないようにそっと光圀はキッチンに向かった。
　キッチンで料理をしていた光圀をびっくりさせたのは莉乃の声だった。
「千尋。千尋はどこ？」
　光圀は火を止めて寝室に向かった。
「落ち着けよ。莉乃。」
「あっ、光圀。千尋はどこ？」
「寝返りをうってベッドから落ちられても困るからベビーベッドに俺が移動した。」
「良かった。」
「タオルケットかかっている時点で俺が帰っているって思わないのかよ。」
「今、何時？」
「時計くらい自分で読め。料理の途中なの忘れてた。」
　無防備な莉乃と同じ空間にいると男の本能が暴走すると思って、光圀はキッチンにUターンした。
　莉乃は千尋を抱っこして、愛しい旦那さんの元に向かった。
　



［＃改ページ］

［＃４字下げ］育児休暇［＃「育児休暇」は小見出し］

　産休、育休の為に莉乃は暇をもて余していた。
　芸能人であるが故に移動手段は昔から飛行機、新幹線、タクシーだった。
　路線バスに子供と一緒に乗るなんて今まで想像もしていなかった。
　今日はショッピングモール（イオン）にやってきた。
　正確にはここ最近毎日のように来ているのだが。
　光圀が休みの日は車で移動している。
　適当に時間を潰し、家に帰る。
　光圀の倹約姿勢がこの二年間の長いような短いような時間の中で莉乃にも移ったようだ。
　千尋をベビーベッドに寝せて、テレビをつける。
「やぁ、ふなっしーなしよ。千尋ちゃん。一緒に寝てくれるなしか？」
　ふなっしーと共演したことが何度もあるので、似てなくてもふなっしー風にふなっしーのぬいぐるみを持ちながら千尋に話しかける。
　しかし、千尋は明後日の方向を向いていた。
　一回目はマリンワールドのＣＭに反応し、次は光圀が大阪からのお土産として買ってきたジンベエザメのぬいぐるみの方を向いて眠りについた。
「パパの話に関心持ったり、ジンベエザメとかイルカに興味津々ってどこまでパパに中身似るの？」
　ため息半分の言葉を発し、千尋を寝かし、苦手な家事をすべく、新米ママ、莉乃はその場を後にした。


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［＃４字下げ］タイムスリップ娘。千尋［＃「タイムスリップ娘。千尋」は小見出し］

　光圀はその日の仕事を終えて、劇場から出たところだった。
「お父さん。」
　関係者用の出入り口と劇場のお客様用出入り口は距離が近い為、光圀の目の前にいる女の子はお父さんを呼んでいることを光圀は理解した。
　しかし、その子は光圀の方に歩いてきた。
「お父さん。お仕事お疲れ様。」
「莉乃？髪型変えた？」
　その外見はよく見ると妻、莉乃に見える。
「あっ。そっか。この時代のお父さんとは初対面だった。」
「もしかして、未来の千尋？」
「穴井さんと間違えるといけないから。大塚千尋。2040年の未来から来た大塚光圀、莉乃夫婦の間に生まれた長女です。」
「それなら、俺のプロフィール言えるか？」
「大塚光圀。1990年8月18日生まれ。血液型は私と同じＡ型。・・・世間にはマネージャーだったお父さんとメンバーだったお母さんが両思いだって気がついてから、交際したって言っているけど。本当は、寂しがり屋のお父さんがお母さんや穴井さん達と一緒に生活して、その頃からの腐れ縁なんだよね？」
　初対面のときに莉乃と見間違えかけた容姿に、プロフィールだけじゃなく、馴れ初め話をスラスラ喋れる記憶力。
　見た目は母親似、中身が自分に似た人物を娘と考えるのが普通だが、疑問もある。
「千尋。俺達夫婦の馴れ初め話まで知っているから娘だと思いたいけど。どうやって、未来から来たんだ？タイムマシンがもうあるのか？」
「残念ながら、タイムマシンはまだないよ。似たようなタイムシューターってシステムなら私達が開発したけど。」
「どんなシステムなんだ？」
「まだテスト段階だから、あまり詳しく言えない。たぶん時間制限があって、そのうち、未来に帰ることになる。」
「そっか。よく頑張ったな。千尋。」
「お父さん。・・・ねぇ、お母さんのこと、好き？」
「当たり前だろ。じゃないとお前が生まれなかったろ？」
「そうだね。ごめん。もう時間みたい。」
「研究者あるあるで研究に夢中になりすぎて、ご飯欠かすなよ。未来の俺達に連絡しろよ。」
「お父さん。ありがとう。」
　未来人《ちひろ》は元の時間に帰っていった。
　光圀も本当の家族に会う為に、今度こそ家に帰っていった。


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［＃４字下げ］結婚挨拶・上［＃「結婚挨拶・上」は小見出し］

　光圀は休暇を利用し、車を走らせていた。
　助手席にはもちろん莉乃が座っていた。
　今回のドライブの目的は莉乃の両親の元へ結婚の挨拶に行くことだった。
　莉乃のお腹には光圀の血を分けた子供がいるのだ。
　反対できる親は少ないだろうが、光圀はいつになく緊張していた。
「莉乃。お父さんとお母さんは俺を受け入れてくれるだろうか？」
「大丈夫。お腹に子供がいるんだよ。自信持ってよ。」
「俺は本来・・・。」
　莉乃が光圀の唇に、人差し指を押しあて、光圀の言葉を封じた。
「何も無かったよ。私達の今は光圀に会って出来たんだから。」
「わかった。それと離れてくれないか。前が見にくい。」
「あっ、ごめん。」
　そんなこんなで莉乃の実家へとやってきた。
「只今。」
「こんにちは。」
「おかえり、莉乃。こんにちは。」
　玄関先でお母さんに出迎えられた。
「初めまして、大塚光圀と言います。」
「まぁ、良い男を選んだのね。」
「お母さん。」
「こんなところで立ち話もなんですから、お上がりください。」
「はい。失礼します。」
　お父さんは居間で和服を着て新聞を読んでいた。
「お父さん。莉乃達が来ましたよ。」
「あぁ。」
　新聞を端にやり、場に緊張が走る。
　この後の展開はどうなるのだろうか？


［＃改ページ］

［＃４字下げ］結婚挨拶・中［＃「結婚挨拶・中」は小見出し］

　光圀は莉乃の両親に娘をよろしく頼むと快い言葉をもらった。
　今は福岡への帰路である。
　結婚が決まったカップルが行うのは互いの両親への挨拶に始まり、入籍、挙式までが一般的な為、光圀と莉乃が今向かっているのは光圀の両親のお墓である。
「光圀。一年後には家族が増えるね。」
「まだわからないだろ。」
「本心は？」
「早く性別が判ると良いなって。」
　光圀のその言葉を聞いて莉乃はニッコリ微笑んだ。
　〇大塚の家のお墓は家と同じで坂の中腹にある為、捻挫上がりの莉乃には少しきつかった。
　それでもなんとかお墓までたどり着いた。
　光圀が簡単にお墓回りの掃除は済ませていた為、後はお参りをするだけだ。
「父さん。母さん。俺、本物の父親になるよ。莉乃と家族と幸せになるから、これからも見守っていてほしい。莉乃。お前からも何か言えよ。」
「義父さん。義母さん。改めまして、指原莉乃です。光圀と子供が出来まして、家族になります。不束者ですが、よろしくお願いします。」
「莉乃。もう一ヶ所挨拶しないといけないところがあるのに今、気がついた。」
「とりあえず、今日は帰ろう。」
「あぁ。」
　光圀と莉乃が挨拶しないといけないところとはどこなのだろうか？


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［＃４字下げ］結婚挨拶・下［＃「結婚挨拶・下」は小見出し］

　光圀と莉乃の現在地はＨＫＴの劇場。
　もうお分かりだろう。
　二人が挨拶をしないといけないのは尾崎支配人、メンバー、スタッフ劇場サイドの人間である。
「・・・そうか。もう結婚か。二人共。おめでとう。」
　莉乃はグループからの脱退、当初の予定よりも早く光圀の劇場支配人就任が決まったのである。
　〇
　ここは記者会見の会場ーー莉乃が芸能人である以上、仕方がない。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。私、指原莉乃はＨＫＴ及びＡＫＢグループから卒業します。皆様ご存じの通り、私は足を捻挫し、ダンスを中断していました。足の方は完治しましたが、恐怖を感じてしまう為、・・・」
　光圀が考えた台詞を莉乃は言った。
　恋愛禁止のアイドルが出来ちゃった婚など言語道断の為に、先にグループ脱退を言っておくのが筋である。
　脱退後なら多少は叩かれるが、ルール違反とは言い難いというのが二人の意見、持論だ。
　〇
　一ヶ月後、また同じように記者会見を莉乃は行った。
「私、指原莉乃は妊娠二ヶ月であることが判明し、二ヶ月前に関係を持った男性と結婚します。・・・」
　二人は莉乃のファン及び世間に対しても結婚報告をしたのだ。
　会見会場にいた記者から叩かれる言葉も出たがその中の一人から一つ質問が出た。
「指原さん。結婚式の日程は？」
「彼とも話をしまして、籍は入れますが、挙式の予定はありません。」
　籍は入れるが挙式はしないという二人。
　今後何が待つのだろうか？


［＃改ページ］

［＃４字下げ］誘導された結婚式［＃「誘導された結婚式」は小見出し］

　ある日出勤した光圀の元へ尾崎支配人がやってきた。
「大塚君。君に頼みがあるんだ。」
「はい。なんですか？」
「指原の誕生日を祝いたくて、君にチョコレートケーキを作ってほしい。」
「否。あいつはもうメンバーじゃないのに。なんでですか？」
「元々、指原の卒業は１１月の予定だっただろう？快気祝いもしていないし、指原が喜ぶ顔が見たいだろう？」
「あいつの為なら、やりましょう。」
「審査の為に百人分作ってくれ。今日中に！」
「え？はい。」
　光圀が頼まれると断れないタイプの為に、このシナリオになった。
　〇
　尾崎支配人から渡されたレシピを元に光圀は見事なチョコレートケーキを作った。
「さすが、大塚君。見事だ。」
「大塚君。ちょっと良い？」
　タイミング良く先輩スタッフが入ってきた。
「はい。どうしました？」
　しかし、光圀の意識はそこで途切れた。
　光圀の後ろに立っていた尾崎支配人の手には布が一枚存在した。
　〇
　光圀が意識を取り戻したとき、タキシードを身につけていた。
　劇場がまさに結婚式場のように変えられていた。
『パパパーン♪（結婚式で流れる歌）』
　森保まどかがピアノを弾いて、完全に結婚式である。
「新婦入場」
　ドアが開き、ウェディングドレス姿の莉乃、お父さんが現れた。
　式場（劇場）を見回すとメンバー達が制服衣装、スタッフ達がスーツを着て見守っていた。
　光圀曰く、式典で大事なものを失った為に、結婚式はやらないと言っていたのに、名物コンビが文字の書いたたれ幕と共に立っていた。
　兒玉遥と宮脇咲良、朝長美桜と田島芽瑠、矢吹奈子と田中美久だった。
『Ｈ：一人じゃない！みんながいるよ。』
『Ｋ：家族はもっと増えるよ。』
『Ｔ：たくさん思い出を作ろう！黒幕、指原莉乃。』
　莉乃はせめて、ＨＫＴの関係者だけでも挙式をしたかったようだ。
　光圀の目から喜び、嬉しさによる涙がこぼれた結婚式は少し簡素だったが、二人の思い出に追加されたのだった。


［＃改ページ］

［＃４字下げ］妊娠中の夫婦［＃「妊娠中の夫婦」は小見出し］

　珍しいことが劇場裏で行った。
　芽瑠の前に餃子を持った光圀が現れたからだ。
　光圀は回転寿司で二十枚は軽く平らげる男なのに、何故このような行動を取るのか？
「悪い。田島、餃子食べてくれないか？」
「え？大塚さん。何かの病気ですか？」
「家の家内、莉乃は妊娠中でつわりだから、ニンニクの匂いだけでも辛いと思ってな。」
「分かりました。」
　光圀は妊娠中且つつわり中の莉乃の為に、自身の食生活（匂いのきついものを食べない）、その他生活習慣（帰る前に車内でファブリーズをする）等、気を使った。
　〇
「今日、定期健診だっけ？」
「うん。どっちが良い？」
「女の子かな？一姫二太郎っていうくらいだし。」
「名前も決まっているもんね。」
「気を付けてくれよ。もう、莉乃だけの身体じゃないんだから。」
「分かっている。ねぇ、キスして。」
「チュッ。・・・それじゃ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
　〇
　劇場で、光圀がドアにぶつかっていた。
「大塚さん。大丈夫？」
「あぁ、本村か。大丈夫だよ。」
「さっしーの、奥さんのこと考えていたんですよね？」
「まぁな。今日、エコー検査でどっちか判るのと、色々心配でな。」
「女の子なら千尋って名前にするんですよね？」
「あれ？言ったっけ？」
「二人の長女はちーちゃんしかないでしょう。」
「穴井が名付親なんだよ。」
「私達にも赤ちゃん抱っこさせてくださいね。」
「まだ早いよ。」
　そんな中、電話がかかってきた。
　相手はもちろん莉乃だ。
「はい。」
「光圀。どっちだったと思う？」
「女の子？」
「うん。」

「そっか。俺は産めないけど、できるだけサポートはするから。」
「お仕事頑張ってね。劇場支配人さん。」
「分かっているよ。気を付けて帰るんだぞ。」
　会話を終えると拍手が起こった。
「大塚さん。良かったですね。」
「お前達、もしかして俺達の会話聞いていたんじゃないだろうな？」
「すごいニヤケてましたよ。」
「今でもさっしーに頭が上がらないんですね。」
「良いだろ。ちゃんと役所に届けを出した夫婦なんだから。」
　回りに祝福してもらえる光圀と莉乃だった。


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［＃４字下げ］保健の授業［＃「保健の授業」は小見出し］

　※この話は３では珍しく（下手な）官能シーンが含まれています。（閲覧の際は気を付けてご覧ください。）
　光圀は、遊び人だったが、莉乃と結婚したことで、性欲が昔程でなくなった。
　しかし、性欲は人間の三大欲求である。
　結婚前に、メンバーと性的関係があった光圀に欲求不満をぶつけたいメンバーもいた。
　兒玉遥と田島芽瑠は、食事へ行き、本村碧唯、宮脇咲良、朝長美桜はカラオケに行き、欲求の昇華をしていた。
　いったい誰が光圀を狙っているのだろうか？
「先生。見て。」
「私も。」
「おっ。合格したんだな。おめでとう。」
「先生のおかげです。」
「だから、お礼にマッサージさせてください。」
「確かに支配人になってから少し疲れている気が、よろしく頼むよ。」
「先生の部屋でさせてください。」
「あ、あぁ。」
　子供のまっすぐな瞳に見えて、その奥の淫らな炎を光圀はこのとき見抜けなかった。
　相談室に入り、腰を下ろした光圀は眠気に襲われた。
　光圀は目を覚ましたが、そこには暗闇が広がっていた。
「奈子ちゃん。美久ちゃん。無事かい？」
「大塚先生。さしこちゃんとエッチできていなくて溜まっているんですよね？」
「私達、初めてですけど、頑張ります。」
　矢吹奈子と田中美久が光圀の性欲処理に名乗りをあげたのだ。
　光圀は腕を上で手錠を着けられ、目隠しをされ、パンツ一丁にされていた。
「俺は産まれてないけど妻子持ちだよ。それに初めては好きな人にあげるべきだよ。」
「さしこちゃんが好きな先生が好きなの。」
「ちゃんとコンドームも買って避妊もばっちりです。」
「だからって、んー」
　二人に口枷をされた光圀。
「見えないから、私達が交代で説明しますね。」
「今、先生の乳首を右が奈子、左をみくりんが舐めてます。」
「先生のおちんちんで美久達の処女膜思いっきり破ってください。」
「先生のトランクス、テントを張ってますよ。」
「脱がせますね。」
「先生。お薬の効果なんで、心配しないでください。」
「先生。奈子の初めてもらってください。」
「んー。（駄目だ。）」
　光圀は年下に手を出すのは田島芽瑠で最後にしたかったが、一服盛られて、抵抗もできず、二人の処女膜を自身のぺニスで破るという罪を犯したのだった。
「先生。痛かったけど、気持ち良くなれました。」
「さしこちゃんのこと、好きなのが再確認できて良かったです。」
　拘束を解かれた光圀だが、莉乃と未来の娘、千尋への罪悪感から、しばらく動けなかった。
　



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［＃４字下げ］二人の絆［＃「二人の絆」は小見出し］

　光圀はゆっくりと自分の自宅の扉を開いた。
「光圀。何があったの？」
「莉乃。俺は浮気をした。だから、俺と別れて、」
「嫌。」
「俺は、お前達を裏切ったんだぞ。」
「奈子とみくりんに一服盛られたって聞いた。光圀は抵抗していたとも聞いた。だから、私達から離れないで。」
「俺は」
「光圀から別の女に迫ったならともかく、向こうからの、抵抗したなら良いのよ。」
「いつもいつも、莉乃には敵わないな。」
「おかえりなさい。私達のパパ、光圀。」
「只今。莉乃、千尋。」
　嵐が起こるかと思った大塚の家だったが、莉乃の懐の深さに救われた光圀だった。
　〇
　光圀と莉乃は今、福岡市内をドライブしていた。
　目的地は昨日、リニューアルした福岡マリンワールド（水族館）である。
「ふー。着いた。」
「ねぇ、駐車したときにもらったのアイスの割引券だって。」
「そこに店があるから、食べる？」
「光圀は食べないの？」
「食べるに決まっているだろ。」
　二人であまおうとバニラのソフトクリームを食べる。
　光圀は、莉乃と千尋、更に増えるであろう家族を思いながら、幸せを噛み締めた。
「嘘？」
「どうした？」
「いつもはほとんど動かない千尋が動いているの。」
「元気に産まれてきてくれよ。千尋。」
　帰宅したとき、二人の思い出がまた増え、寝室にアザラシポーズでスタッフに撮ってもらった記念写真と抱き合っているペンギンのぬいぐるみが置かれたのだった。


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［＃４字下げ］過去との対面［＃「過去との対面」は小見出し］

　六月五日。リビングに光圀が本を置いたのを見て、莉乃は目を丸くした。
「光圀。この本って？」
「アルバム。今日はベビーデーだしな。」
「ベビーデー？」
「母の日があって父の日があるだろう。その間の６月最初の日曜日のことをベビーデーっていうんだよ。」
「相変わらずすごい知識ね。」
　光圀は少し口角を上げ、アルバムを開いた。
「ほい。俺の誕生のときの写真だ。」
　光圀の母親と生まれて間もない赤ん坊が写った写真を莉乃に見せた。
　光圀の母親は光圀誕生に涙を浮かべていた。
　さらに紙を貼り付け、『生まれました。母ちゃん、こんにちは』の文字が書かれていた。
　日付けが変わり、眠っている光圀が写っていた。
　後ろには今度は父親がいた。
『父ちゃん。これからよろしく！』
「はい。」
「へ？」
　光圀の目の前にハンカチが出てきた。
　光圀はアルバムを見て、涙を浮かべていたのだ。
「ありがとう。」
　二人は、光圀のアルバムを見ながら、思い出を共有した。
「早く、千尋に会いたいな。」
「もうすぐ産まれるよ。」
　予定日まで後十日になった。
　二人は千尋の誕生を心待ちにしていた。


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［＃４字下げ］出産へのカウントダウン［＃「出産へのカウントダウン」は小見出し］

　莉乃はいつも通りお風呂上がりに千尋の動きを感じていた。
「只今」
　光圀が帰ってきた。
「お帰り、光圀。」
「只今。莉乃、千尋。・・・相変わらずお風呂上がりは活発だな。」
　光圀は、お風呂上がりに千尋が活発に動く。というよりもほぼそのタイミングに動く為、莉乃のお腹に耳を当てた。
「今日は総選挙の速報だったっけ？」
「うん。後は本村の誕生日。」
「去年は私もあそこにいたんだよね。」
「大変さを分かっていながら、有給を取らせるなよ。」
「総選挙の発表中に陣痛が来ても来れるの？今年、会場沖縄でしょう？」
「ごもっともです。」
「どっちに似ると思う？」
「見た目が莉乃で中身が俺かも？」
「中身も私じゃないの？」
「それこそ逆もしかりだよ。」
「ねぇ、光圀。出産のときは手、握ってくれるよね？」
「男の俺にはそれくらいしか出来ないからお安い御用だ。」
　今日は５月３１日。
　本村碧唯の誕生日。
　第９回ＡＫＢ４８総選挙速報発表の日。
　明日は６月になる。
　莉乃にとって臨月となる月。
　その母体に眠る小さなが産まれるのを夫婦が楽しみに感じながら、夜は更けていった。


［＃ページの左右中央］

［＃２字下げ］桜井優一×指原莉乃？［＃「桜井優一×指原莉乃？」は中見出し］

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［＃４字下げ］見物人［＃「見物人」は小見出し］

　私の名前は山本彩。
　四人兄妹の末っ子で、秋元商事、営業部に勤めている。
　桜井君と美優紀が別れて、桜井君は元気がなかった。
　一番上のお兄ちゃんの結婚式を兼ねて京都に行ったとき、美優紀と再会した。
　それが引き金となったのか、②兄が美優紀とちょくちょく会っているようだ。
　そして、私は見てしまった。
　桜井君が美優紀と少しだけ似た人物、指原さんと明らかなデートをしているところを。
　あの馬鹿、どんだけあの手の顔が好きやねん。
　〇
　美優紀は私の義姉になった。
　同じ会社やから、桜井君と指原さんが結婚した話も聞いた。
　美優紀に桜井君のことはなるべく報告している。
　相手の人との子供が産まれたら、会いたいと言われた。
　ほんま、なんやねん。
　〇
「只今、彩。」
　何べん聞いても特徴的な声やな。
　そこも好きやねんけど。
「お帰りなさい。菜々さん。」
「今日、お願いしてええ？」
　少し私より背が低い恋人にして、先輩山田菜々さんに上目遣いでおねだりされた。
　私の中のスイッチはもう入った。
「うっ。彩、ここ玄関。」
「菜々さん。今日、たっぷりマーキングしますから。」
　私はこの人と幸せになる。
　それもこれもあの馬鹿のせいや。
　



［＃改ページ］

［＃４字下げ］会食［＃「会食」は小見出し］

　できちゃった婚であるが故に優一と莉乃は結婚式をしなかった。
　そして、優一の両親が離婚していることも理由の一つである。
　優一の両親に莉乃の紹介をするのが今回の会食の目的である。
「親父。ちゃんとしろよ。」
「お前の彼女の紹介くらい家ですれば良いだろう。」
「そういうわけにはいかないよ。」
「あ、お兄ちゃん。・・・お父さん。」
　美音がまず出迎えた。
「あいつに似たもんだな。」
　美音をチラッと見て、父は歩みを進める。
「早いのね。まだ予定時間の十分《じゅっぷん》前だけど。」
「ふん。」
「親父、お袋。喧嘩するなよ。これから会食なんだし。」
「肝心のお前の彼女がいなかったら意味ないだろう。優一」
「こんな呑んだくれのトラックドライバーさんと一緒なんて嫌よ。」
「ごめん。優一。お待たせ。」
「あぁ。莉乃。ここまでどうやって来たんだ？」
「タクシーだけど。」
「良かった。」
　優一は莉乃のマンションに移り住む予定だ。
　手を叩き、開始の合図を優一はした。
「親父、お袋、美音。俺が交際していた会社の同僚で先輩の指原莉乃さんです。実は莉乃のお腹には俺の子供がいて、責任を取って結婚をすることになった。」
「お兄ちゃん。義姉さん。おめでとう。」
　美音がお祝いの言葉を言うが、父と母の表情は微妙だった。
「指原莉乃です。不束者ですがよろしくお願いします。」
「まぁ、優一が選んだ女性だ。俺達みたいになるなよ。」
　父に言わせれば離婚するような結婚生活を送るなということらしい。
「お酒の飲み過ぎと奥さんへの暴力は駄目よ。」
　離婚の原因そのものを母は言った。
「親父、お袋。美音とも話したんだけど、そろそろ仲直りしたら？もう一年もしたら孫が生まれるんだし。」
「ちゃんと家庭裁判所で話し合って離婚したんだから、今更よ。」
「女なんてもう面倒だ。」
「わかったよ。とりあえず今日くらいは家族に戻って、食事しよう。」
「お父さん。後でビールお酌してあげる。」
　気まずい雰囲気もあったが会食は終わった。


［＃改ページ］

［＃４字下げ］私の好きな人（美音の場合）［＃「私の好きな人（美音の場合）」は小見出し］

　私には好きな人がいます。
　お兄ちゃんである桜井優一。
　何も知らない人に言えば、ブラコンな妹と思うだろうけど、私の抱く好きはラブ。
　一瞬の気の迷いでもなんでも、私を求めてくれただけで嬉しかった。
　本当は愛し合ってお兄ちゃんの子供を産みたい。
　けど、世界はそれを禁止しているから、お兄ちゃんに似た人を私は今も探しているけど、なかなか見つからない。
　お兄ちゃんが指原さんとゲームセンターにいたときは不思議と寂しくなかった。
　だから、私は二人の背中を押してあげることにした。
　私の恋が静かに音もなく、終わりを告げた。
　私には好きな人がいます。
　その人は指原、さん否、義姉さんの側で笑っている兄、桜井優一。
　お兄ちゃん、義姉さん、いつまでもお幸せに。
　



［＃改ページ］

［＃４字下げ］出産（美優紀の場合）［＃「出産（美優紀の場合）」は小見出し］

　私のお腹は大きくなった。
　去年の写真と比べると一目瞭然。
　優ちゃんとの子供がいる。
　優ちゃんの為に私は一人で産むことにした。
　妊娠してからのことは全部、ノートに日記として書いている。
　誰がこの子のＤＮＡ上の父親なのかも書いてある。
　子供の名前は皮肉が含まれているけど、ユウキにした。
　優ちゃんのユウに私が美優紀だから、キを取った。
　何も知らない人からしたら私の名前をいじっただけに思えるかも。
　今日もユウキはお腹の中で元気に動いている。
　〇
　嘘やろ！？
　予定日、来週なのに。
　ママ（人生の先輩）から聞いてはいたけどほんまに急にきたな。
　タクシーを呼んで、少しずつ病院に向かって歩く。
　もう少し待っててな。
　ここで出ても、地面に、コンクリートに頭ゴチーンするだけやで。
　タクシーに乗り込んで、私は病院に向かう。
　ママと病院に連絡は入れてある。
　陣痛の痛みと闘いながら、もう一つ連絡を入れようか迷う。
　私の方が連絡先を替えた為に、連絡を取っていない人、ユウキのパパ、優ちゃんに。
　でも、病院まであっという間で、私は携帯電話の電源を落とした。
　一時間もしない内にユウキが産まれた。
　この子と頑張って生活していくで。
　〇
「あれ？美優紀？」
「へ？」
　私は妊娠発覚から京都に住んでいる。
　知り合いにそうそう出会うことはないだろうと思っていたけど、会ってもうた。
「えっと？フランスパン？」
「誰の顔がフランスパンやねん。」
「冗談やって。彩ちゃんやろ？」
「やっぱりか。その子、桜井君との子供やろ？」
「なんでわかったん？」
「あんだけベッタリな二人が別れたら大体分かるわ。」
「こんな子持ちで良かったら拾ってくれる男に会える方に賭けてんねん。」
「桜井君。今でもあんたのこと好きみたいやで。」
「彩ちゃん。優ちゃんとどこに接点が？」
　間違ってないはずや。
　私達と同い年の彩ちゃんなら、高校は卒業したはず、まさか彩ちゃん・・・。
「私と桜井君。同じ会社の同期やねん。部署は違うけど。」
「彩。お待たせ。」
「②兄。紹介するわ。昔の同級生の」
「渡辺美優紀です。それと息子のユウキです。」
「彩の兄の②です。」
「彩ちゃん。新しい連絡先教えるわ。」
　後で聞いた話。
　一番上のお兄さんの結婚式で京都にきた彩ちゃんと再会したことで、私は②さんと出会った。
　そして、②さんは私を拾ってくれた。


