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ソルトとさくら①

食堂「亜粗美菜」マジ女のOGみなみが営んでいる。

ここ最近は、マジ女の生徒達の憩いの場と化している。

勿論、一般の客の迷惑にならないように、店内では騒いだり、行儀の悪いことは禁止である。

今日も今日とて、マジ女の生徒が亜粗美菜にたむろしていた。

タカミナ「賑やかなのはいいんだけどなぁ…商売にゃなんねえな」苦笑いのみなみ。

すると、賑やかだった店内が俄に鎮まり、緊張が走る。

タカミナ「いらっしゃい!よお、さくら。久しぶりだな」

さくらが、自称さくらの一番弟子を互いに主張する、2年生コンビのカミソリとゾンビを連れて来店した。

サクラ「お久し振りです、たかみなさん」

店内のマジ女生徒達が立ち上がって、頭を下げる。

店内の2ヶ所はマジ女の生徒が座ってはいけない席がある。

その一席にさくらとカミソリゾンビが座る。

もう1ヶ所は言わずもがな、ソルトの席である。但し、ソルトは滅多に亜粗美菜には来ないのだが…

タカミナ「いつものでいいな?」

サクラ「はい」

タカミナ「A定3つ!」

さくらの来店で店内が静かになった。

ソルトと並び、さくらもマジ女の顔なのだ。

サクラ「それで?二人とも…話ってなんだ?」

カミソリ「それが、大変なんですよ!さくら姐さん」

サクラ「その姐さんはやめろって言ってるだろ」

ゾンビ「ヤバ女と、激尾古が、乃木女と、ケヤキの坂の3トップにしめられて、乗っ取られたらしいんっすよ!」

サクラ「乃木女?ケヤキ?」

カミソリ「やっぱ知らないんすね…さくら姐さん」

ゾンビ「さくら姐さんはソルトさんしか興味ないから」

サクラ「おかしな言い方するな、ゾンビ。それはマジなのか?」

会話を聞いていたみなみ。

タカミナ「乃木女と欅って、すげえお嬢様の進学校じゃねえか?そんなとこに、ヤンキーがいるんか?」

ゾンビ「そうなんです!人呼んで、坂の3トップ…学業の成績がトップなだけじゃなく、喧嘩もそりゃあ強いらしいんですよ」

カミソリ「ヤバ女のテッペン、ヘッドと激尾古のテッペンシロギクは病院送りに…」

タカミナ「A定お待ち!」

カミソリ「あー腹ペコペコだったんすよー」

ゾンビ「カミソリはいつもだろ」

カミソリ「大食いはお前だろうが」

ゾンビ「ああん?何だと?」

サクラ「やめろ、二人とも。黙って食べな」

カミソリ「あれぇ?たかみなさん?」

タカミナ「なんだ?」

カミソリ「さくら姐さんのが一品多くないっすか?」

ゾンビ「あ、ホントだ。ひいきだー」

タカミナ「ガキかお前ら。さくらはマジ女のNo.2だぞ?お前らもおまけしてほしきゃ、さくらやソルトを越えるこった。因みに、ソルトは二品おまけだけどな」

カミソリ「あ、それで、さくら姐さん。その坂の3トップは今度は、マジ女を狙ってるらしいんですよ」

サクラ「……」