奏翔「梨香姉ただいま。」
梨香は、顔をあげると珍しいものを見たというような目付きで奏翔を見るが、すぐ笑顔を見せた。
梨香「奏翔が、笑ってるって珍しい。ま、うちは嬉しいけどさ。」
梨香はそんなこと言いながら、奏翔のご飯の用意をして、またその向かいの席に座った。
両親の帰りが遅いため、梨香が家事をしている。奏翔もたまに手伝わされていたがそんなに嫌ではなかった。
梨香「ササッとご飯食べて、お風呂入って寝なよ?
明日、試合なんだからさ。」
奏翔「そんなの梨香姉も一緒じゃん。飯食ったら手伝うから、チャチャッとやること終わらせよ。」
梨香は、奏翔の言葉に声を出して笑うが、首を横に振った。
梨香「大丈夫だって!
あんたは初めての試合だから、気を使うだろうし気持ちとかも含めて早く寝なさいって言ってんの。」
梨香の思いやりが奏翔には嬉しかったが、ごはんを直ぐに食べ終わると梨香の額を指でコツンと小突いて
奏翔「バカ、久々に話したいって思ったから手伝うって言ってんの。」
梨香「ほんっとあんた変わったね。変わりすぎてうちは怖いよ。
手伝いはいいから風呂入ってきな?そっから少し話そうか?」
梨香と奏翔は、お互いに笑顔を見せると、梨香はお皿を洗いに奏翔はお風呂に向かっていった。