友香「みんな揃ったね。練習を始める前に今、みんなにも聞いて決めたいことがあるんだけど、いいかな?
その前に、加藤くんと小坂さん入部してくれてありがとう。これから頑張っていこうね?」
友香は、奏翔と菜緒を見て笑顔で言うと友梨奈、愛佳、理佐、美愉、瑞穂の順番で見渡した。
全員が頷くと、友香は茜の方を見て真剣な顔つきになると低い声で
友香「去年までは、私が選手と監督を兼任してきたけど、今年からは加藤くんにマネージャーを兼ねて監督をやってもらう。
色々わからないところはうちらが説明して覚えてもらうとして、今週の終わりには名門校でもある桜蘭高校と練習試合もあるからそれも兼ねての方針の変更だけど、みんなはどう思う?」
友梨奈「うちらは、何も言わないよ。
ゆっかー先輩の考えが間違ってたことは無いんだからさ。」
友梨奈は笑顔で友香をみるとほかの選手もそうだ、と言うふうにそれぞれ行動で示した。
茜「うちも、それがいいと思うね。
うちらが最後の年だし、悔いのないようにやりたいしさ。」
茜も友香の肩を叩くと笑顔を見せた。
友香「みんなありがとう。
説明は後でおいおいするとして、みんな!練習始めよっか!」
友香が声をかけるとみんなコートの中に入りそれぞれ、の練習にうつっていった。
その場に茜と菜緒が残ると、茜は菜緒を見て
茜「小坂さんはちょっと個別に練習っていうか、どんなものか見せてもらっていいかな?」
茜が問いかけると菜緒は、うなづいてコートの中に入っていった。
茜「うちから攻めるから、まずはディフェンスよろしく!」
茜の言葉に菜緒が頷くと、いきなりドリブルをするとゴール下へ切りこもうとしたが、菜緒が素早い動きで、茜の動きをとめた、茜は驚くように口笛を吹くと体を180度動かし、また向き直ってドリブルして抜き去ろうとするが、菜緒は、それを許さずに、そのまま動きを止めてしまった。
茜も、その場でシュートしようとするフェイントをしたが、そのまま横を抜き去りレイアップシュートを決めようとした。
普通なら引っかかるであろうが、菜緒はそれに追いつき手を振りあげてそのまま弾き返してしまった。
菜緒「ブロックとかディフェンスだけはうち得意なんですよね~、そんな動きで抜けるとでも思いました?」
菜緒は、この日初めて口を開いたと思えば、ニヤリと笑って茜を挑発するように言った。
茜も、挑発にニヤリと笑うと、
茜「だったらこれから、オフェンスの練習を主にしていこうか。賴しい限りだよ。」
と言うと、茜は握手を求めるように手を差し出すと菜緒もそれに応じて握手をすると茜と共に練習をまた始めたのである。