昼放課の後は、淡々と毎日と変わらずに授業を受け、毎日と変わらずに授業が終わった。
変わったことと言えば、菜緒が生徒会に入りホームルームの後に呼び出されたのと、自分の手には部活の入部届けが握られていることだけである
奏翔が、体育館に入っていくと瑞穂とあと、2人初めて見る女子部員が喋っていた。
3人に近づいていくと瑞穂は、奏翔に笑顔で手を挙げた。それを見ていた、2人のうち1人が珍しそうなものを見るような反応をした。
?「あれ、瑞穂が男子相手に挨拶するの珍しいね。
普段、あんまり話もしないじゃん?」
瑞穂「こいつは、ちょっと気に入ってるんで~、あれ?菜緒ちゃんは?」
奏翔「生徒会に入ったらしくて、終わったらすぐ行くって言って呼び出されてましたよ?
土生先輩こそ鈴本先輩は?」
瑞穂「だから、瑞穂でいい…まぁいいや。
今日の居残りは珍しく美愉だけだよ。来てくれてありがとう。」
瑞穂に、肩を叩かれお礼を言われると奏翔は、表情を変えないように頭を下げると瑞穂は、離れていった。
?「名前は、聞いてるよ。
加藤奏翔くんでしょ?うちは、3年の守屋茜です。よろしく。」
?「茜と同じクラスで3年の菅井友香です。入部届けもらおうか?
一応、この部のキャプテン、監督、選手を兼用してるからさ。
顧問に渡しといてあげる。」
友香が手を出してくると、奏翔は入部を届けを渡して、頭を下げて離れようとするが、茜に呼び止められた。
茜「みんなにも言われたと思うけど、ここにいる間は、気楽にしててくれていいからね?」
茜は奏翔が振り返ると、笑顔で言いながらピースサインを作り、友香もその横で「よろしくね♪」と言うようにウインクをした。
奏翔はそれに答えるように頭を下げると、瑞穂の傍に近づいていった。
瑞穂「なんだよ。奏翔なんかあった?」
奏翔が、そばに来たのに気づくと瑞穂は、女子が見ればかっこいい…と言うであろう笑顔を見せた。
奏翔「別に、土生先輩の近くにいればなんとかなるかなって思ったから。
まだ始まんないし、話すだけなら罪にもならないですから?」
瑞穂は、奏翔の言葉を聞くとクスッと笑った。
瑞穂「昨日の話、あんたが誰に惚れたかわかったよ。
行動がわかりやすいんだよ。うちだろ?」
奏翔「そんな自信満々に言って違ったらどうするんですか?
自意識過剰じゃん。」
奏翔は、内心でドキドキしながらも自分の気持ちを悟られないようにからかうように言った。
瑞穂「自分で言っても罪にならないから言ってんだよ。
もし違ったら、違ったでいいじゃん? 」
瑞穂は、肩を竦めてそんなもんでしょ?という表情を作って奏翔を見た。
奏翔が、桜蘭高校との練習試合が終われば、この気持ちを打ち明けてもいいかな…などと考えていることを瑞穂は知ることも無い。
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