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1st 初めての試合 Part4


第1Qが残り5分を切ると16対10で桜蘭高校が勝っており、奏翔はタイムアウトを要求した。 

集まったみんなを、見渡すと真剣な顔付きで考え事をするとすぐに口を開いて

奏翔「友梨奈先輩はベンチに下がってもらっていいですか?
友梨奈先輩のポジションに、美愉先輩…そして、愛佳先輩も休んでもらうので友香先輩に愛佳先輩のポジションに理佐先輩お願いします!
茜先輩と菜緒さんには第3Qまで、頑張ってもらっていいですか?」

奏翔の言葉に全員頷くと、それぞれ動き出した。

タイムアウトの時間が切れると、相手のチームも、梨香、そして紹介された美波と葵、3年生の冬優花、先程も出ていた愛萌の5人がコートの中にすでにたっていた。

奏翔「なんか嫌な予感しません?相手の雰囲気がなんて言うか、凶暴になった気がする。」

愛佳「予感じゃないと思う。
結構、これで点差つけられるかもね、相当強いよ?」

2人が会話をしている間にも何事もなく第1Qは終了してまた、コートの中にいたメンバーが戻ってきた。

友梨奈「奏翔…作戦変更しよ。
瑞穂もだした方がいいよ。
こっちはメンバーが少ないから…そんなに交代できないと思う。」

奏翔は、友梨奈の言葉を真摯に受け止めて悩んでいると、いきなり首元を締めあげられた。
顔は見えなかったが、理佐か愛佳のどちらかだろうと言うのはわかった。

理佐「自分の考えた作戦を成功させたいのもわかるよ。
だけど、みんなの体力も考えてよ。」

愛佳「最悪の場合は、棄権だね。
これは、うちらの全員の意見だから。
あんたのことを嫌と思ったわけじゃなく、この人数じゃさすがにきついってことだよ。」

奏翔はみんなの言葉を聞くと申し訳なさそうな顔をして顔を上げると

奏翔「瑞穂先輩…出る準備しておいてください…
この試合棄権します…」

奏翔の悔しそうな顔を見るとみんなも奏翔の肩を叩いたりして慰めるが瑞穂はお尻を思いっきり蹴った。

瑞穂「なるようになったってことだ。そんな落ち込むなよ。
茜先輩交代します。
棄権するにしてもあんたの作戦は守るから安心して。」

瑞穂は、ピースすると上着を脱いでユニフォーム姿になると交代することを審判に伝えに行った。

ほかのメンバーもコートに戻ると、奏翔はベンチに座りうずくまってしまい、友梨奈、茜、愛佳は心配するように見つめていた。