少子化に伴い、馬路須賀女学園の入学者は年々減少を辿っており、かつては一学年に五クラスもあった生徒数も、現在は各学年三クラスと少なくなっていた。
そのため、学校内には用具置き場として扱われている空きクラスが多く存在しており、授業をサボタージュする生徒たちの溜まり場となっていた。
そのうちの一つの教室に連れてこられた深山は、無理やり教室の中に入れられると、共に入ってきたドドブスたちに鍵を閉められた。
室内にはお馴染みの火鍋の面々と、二年生のカミソリとゾンビがいた。
「何、こんなところに連れてきて」
「なあ、ウオノメ見てねえか?」
「高橋さん?」
「ウオノメだよ」
「あ、ああ、ウオノメね・・・。今日はまだ見てないけど・・・?」
いちいち呼び名で呼ぶのは面倒に感じたが、深山はしぶしぶその名で答えた。
すると彼女たちの顔はどんよりと曇った表情になり、何やら思い悩んでいる様子であった。
「何かあったの?」
「いや、実はな。今日、うちらで激尾古に行って、休戦協定を申し込みに行くつもりだったんだ」
「激尾古・・・?」
馬路須賀女学園の隣町にある激尾古高校。そこもマジ女と並ぶ荒れ果てたヤンキー校で、馬路所とは敵対校であったが、とある事件をきっかけに一時休戦状態が暗黙下で続いていた。
だがこの度、正式に馬路須賀女学園側から激尾古高校看護科の生徒たちに休戦協定を申し込むことになったらしく、マジ女の頂点であるソルト率いるラッパッパから預かった協定書を、チーム火鍋のウオノメが預かっていたのだが、どうやら彼女の姿が今朝から見当たらないらしい。
「もしかして一人で行っちまったんじゃないか?」
「そんな大事なものを?いくら休戦中といっても、まだ今は敵対校でしょ。一人で行くには危険すぎる」
「詳しいんだな、先公の癖に」
ケンポウの一言に、思わずドキりとしたが、深山は表情一つ変えなかった。
「とりあえず激尾古に向かうか。もしかしたら何か分かるかもしんねえ」
「先公も来てくれよ」
「は?なんで僕が」
「先公が言ったんじゃねえか。休戦中とはいえ敵対校だって。何かあるとマズいからよ、大人が近くにいて、あいつらを“せんせい”しておいてくれよ」
「“せんせい”・・・?」
「“
クソガキの言葉に頭を抱えそうになったが、全く関係のない自分まで巻き込まれたくなかった深山は、断りを入れようとしたが、カミソリとゾンビが彼の両腕を掴み、有無を言わさないまま、部屋から連れ出された。