産休、育休の為に莉乃は暇をもて余していた。
芸能人であるが故に移動手段は昔から飛行機、新幹線、タクシーだった。
路線バスに子供と一緒に乗るなんて今まで想像もしていなかった。
今日はショッピングモール(イオン)にやってきた。
正確にはここ最近毎日のように来ているのだが。
光圀が休みの日は車で移動している。
適当に時間を潰し、家に帰る。
光圀の倹約姿勢がこの二年間の長いような短いような時間の中で莉乃にも移ったようだ。
千尋をベビーベッドに寝せて、テレビをつける。
「やぁ、ふなっしーなしよ。千尋ちゃん。一緒に寝てくれるなしか?」
ふなっしーと共演したことが何度もあるので、似てなくてもふなっしー風にふなっしーのぬいぐるみを持ちながら千尋に話しかける。
しかし、千尋は明後日の方向を向いていた。
一回目はマリンワールドのCMに反応し、次は光圀が大阪からのお土産として買ってきたジンベエザメのぬいぐるみの方を向いて眠りについた。
「パパの話に関心持ったり、ジンベエザメとかイルカに興味津々ってどこまでパパに中身似るの?」
ため息半分の言葉を発し、千尋を寝かし、苦手な家事をすべく、新米ママ、莉乃はその場を後にした。