出勤した光圀を遥(兒玉)が待っていた。
「あれ?奥さんは?」
「おいおい、兒玉。俺まだ独身だぞ。」
「あー。じゃあ彼女さんは?」
「誰のことを言っているんだ?」
「またまたとぼけちゃって。さっしーに決まっているでしょ。」
「交際しているわけじゃないから。」
「さっしーが捻挫したとき、誰よりも最初にさっしーのところに行ったのに?出張明けで急にお姫様抱っこで二人して消えたのに?まだ交際していないと?」
「デートってデートがまだなだけだよ。退院明けから俺の家で一緒に住んでいるよ。ただ俺も彼女いない歴が長いからどこに行こうかって。」
「そんな大塚さんにおすすめのデートスポットはやっぱり福岡タワー。」
「何か乗り移っているぞ、兒玉。いやぁ、あいつも忙しいから連れ回すのは気が引けるし」
「そんなこと言って、さっしーが誰かに取られても良いの?」
「行けば良いんだろ。行けば。」
こうして光圀は莉乃と福岡タワーに行くことになった。
リハビリを兼ねているが、タワースタッフには莉乃の足の関係は伝えておいた。
五階で二人は今はなきホークスタウンと光圀の家方面を見たが、山に遮られ、ほとんど見えるわけがなかった。
そして、カップル達の聖地である三階に降りた。
他のカップル同様、愛鍵を着けた。
「莉乃。子供出来ていると良いな。」
「馬鹿。」
「帰ろう。我が家に」
光圀は莉乃の手をとると、ゆっくりと自家用車に向かって歩いていった。