莉乃はいつも通りお風呂上がりに千尋の動きを感じていた。
「只今」
光圀が帰ってきた。
「お帰り、光圀。」
「只今。莉乃、千尋。・・・相変わらずお風呂上がりは活発だな。」
光圀は、お風呂上がりに千尋が活発に動く。というよりもほぼそのタイミングに動く為、莉乃のお腹に耳を当てた。
「今日は総選挙の速報だったっけ?」
「うん。後は本村の誕生日。」
「去年は私もあそこにいたんだよね。」
「大変さを分かっていながら、有給を取らせるなよ。」
「総選挙の発表中に陣痛が来ても来れるの?今年、会場沖縄でしょう?」
「ごもっともです。」
「どっちに似ると思う?」
「見た目が莉乃で中身が俺かも?」
「中身も私じゃないの?」
「それこそ逆もしかりだよ。」
「ねぇ、光圀。出産のときは手、握ってくれるよね?」
「男の俺にはそれくらいしか出来ないからお安い御用だ。」
今日は5月31日。
本村碧唯の誕生日。
第9回AKB48総選挙速報発表の日。
明日は6月になる。
莉乃にとって臨月となる月。
その母体に眠る小さなが産まれるのを夫婦が楽しみに感じながら、夜は更けていった。