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光圀は休暇を利用し、車を走らせていた。

助手席にはもちろん莉乃が座っていた。

今回のドライブの目的は莉乃の両親の元へ結婚の挨拶に行くことだった。

莉乃のお腹には光圀の血を分けた子供がいるのだ。

反対できる親は少ないだろうが、光圀はいつになく緊張していた。

「莉乃。お父さんとお母さんは俺を受け入れてくれるだろうか?」

「大丈夫。お腹に子供がいるんだよ。自信持ってよ。」

「俺は本来・・・。」

莉乃が光圀の唇に、人差し指を押しあて、光圀の言葉を封じた。

「何も無かったよ。私達の今は光圀に会って出来たんだから。」

「わかった。それと離れてくれないか。前が見にくい。」

「あっ、ごめん。」

そんなこんなで莉乃の実家へとやってきた。

「只今。」

「こんにちは。」

「おかえり、莉乃。こんにちは。」

玄関先でお母さんに出迎えられた。

「初めまして、大塚光圀と言います。」

「まぁ、良い男を選んだのね。」

「お母さん。」

「こんなところで立ち話もなんですから、お上がりください。」

「はい。失礼します。」

お父さんは居間で和服を着て新聞を読んでいた。

「お父さん。莉乃達が来ましたよ。」

「あぁ。」

新聞を端にやり、場に緊張が走る。

この後の展開はどうなるのだろうか?