穴井千尋は日記をつけていた。
もうすぐ6月、1月に福岡に帰省したとき、碧唯から光圀と莉乃が結婚したことを聞いていた千尋は、二人を観察していたページを久しぶりに読み返すことにした。
1月〇日。私と芽瑠ちゃんのお誕生会を兼ねて、あの人とさっしーと回転寿司に行った。
やっぱり、二人はお似合いの夫婦だなと思った。
4月〇日。大塚さんに本を借りていた私は読み終えた本を返しに行った。
大塚さんの念仏のように言っている言葉『ご飯、否、飯。飲みに。食事・・・』は私達には解る。
あれはさっしーを口説く為の言葉、食事に誘おうとして、私のことにしばらく気がついていなかった。
5月〇日。これは私がトイレから出たときのことだった。
今度はさっしーが鏡に向かって念仏を唱えていた。
「好き、大好き、愛している、アイラブユー、ジュテーム・・・。」
二人が両思いだとは思っていたけど、二人とも重症みたいだ。
6月〇日。大塚さんが倒れた。
さっしーのことをうわごとで呼んでいた。
さっしーにすぐ私は連絡を入れた。
さっしーは飛行機を使っているのもあるけど、飛んで大塚さんのもとにきた。
7月〇日。入院中の大塚さんにさっしーは可能な限り、面会に行っていた。
やっぱりお似合いすぎて私や他の子が入る隙間はないのに、二人は何を躊躇するんだろう。
8月〇日。私は二人の答えが知りたくて思いきって聞いてみた。
「大塚さん。さっしーのこと好き?」
「好き、だよ。穴井も、兒玉も・・・、みんなのことが。」
「私が言いたいのは」
「穴井。俺は、もう二度と愛する人と離れたくないんだ。」
大塚さんはさっしーのことそこまで考えているんだ。
「さっしー。大塚さんのこと好き?」
「どうしたの、急に?週刊誌か何かの回し者になったの?良い人だとは思っているけど・・・」
さっしーは恋愛禁止条例が頭にあるんだ。
結論。大塚さんとさっしーは恋愛禁止条例の為に本当は両思いだけど、気持ちを隠している。(隠しきれてはいないけど)