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誘導された結婚式

ある日出勤した光圀の元へ尾崎支配人がやってきた。

「大塚君。君に頼みがあるんだ。」

「はい。なんですか?」

「指原の誕生日を祝いたくて、君にチョコレートケーキを作ってほしい。」

「否。あいつはもうメンバーじゃないのに。なんでですか?」

「元々、指原の卒業は11月の予定だっただろう?快気祝いもしていないし、指原が喜ぶ顔が見たいだろう?」

「あいつの為なら、やりましょう。」

「審査の為に百人分作ってくれ。今日中に!」

「え?はい。」

光圀が頼まれると断れないタイプの為に、このシナリオになった。

尾崎支配人から渡されたレシピを元に光圀は見事なチョコレートケーキを作った。

「さすが、大塚君。見事だ。」

「大塚君。ちょっと良い?」

タイミング良く先輩スタッフが入ってきた。

「はい。どうしました?」

しかし、光圀の意識はそこで途切れた。

光圀の後ろに立っていた尾崎支配人の手には布が一枚存在した。

光圀が意識を取り戻したとき、タキシードを身につけていた。

劇場がまさに結婚式場のように変えられていた。

『パパパーン♪(結婚式で流れる歌)』

森保まどかがピアノを弾いて、完全に結婚式である。

「新婦入場」

ドアが開き、ウェディングドレス姿の莉乃、お父さんが現れた。

式場(劇場)を見回すとメンバー達が制服衣装、スタッフ達がスーツを着て見守っていた。

光圀曰く、式典で大事なものを失った為に、結婚式はやらないと言っていたのに、名物コンビが文字の書いたたれ幕と共に立っていた。

兒玉遥と宮脇咲良、朝長美桜と田島芽瑠、矢吹奈子と田中美久だった。

『H:一人じゃない!みんながいるよ。』

『K:家族はもっと増えるよ。』

『T:たくさん思い出を作ろう!黒幕、指原莉乃。』

莉乃はせめて、HKTの関係者だけでも挙式をしたかったようだ。

光圀の目から喜び、嬉しさによる涙がこぼれた結婚式は少し簡素だったが、二人の思い出に追加されたのだった。