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生田絵梨花 「催眠術師」1

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 目の前でペニスを嬉々とした顔で舐める女を見ながら、俺は快哉を上げた。実験は成功したのだ。長い下積みを経て求愛の鳴き声をあげる蝉のようだった。

 これでようやく“あの女”を自分のものに出来る。俺は喜びを押し出すように女の喉奥へとペニスを突き刺した。


「んがっ」


 女から聞いたことの無い声が聞こえたが、俺は無視して抽送を始めた。グジュグジュと唾液の音が耳に心地いい。

 ああ、“あの女”の喉奥はどんな感じなのだろう。おまんこもケツの穴も全て俺のものだ。壊れるまで使ってやる。

 邪な考えが頭を支配すると、やがて俺は女の喉奥に向かって射精した。ドクドクと注がれる精液に女が咽て嘔吐した。


「汚ねえな。掃除しておけよ」


 ヒューヒューと喉を鳴らす女に向かって吐き捨てるように“命じた”。


「はい」


 女は虚ろな目で返事をした。




 長かった収録が終わった。俺は後片付けをしながら“あの女”の様子を見た。これからされることなんて想像もしていないだろうあの女は、無邪気にメンバーと談笑しながら控え室へと戻っていた。


「おら。よそ見してんな」


 と、ケツに痛みが走った。見れば、プロデューサーの男だった。


「すいません」


 肩書きだけの能無しが。視聴率ばかりを気にするこの男に俺は何度ブン殴ってやろうと思っただろう。しかし、それを我慢できたのもひいては“これ”があったからだった。

 俺は平謝りするとそそくさと後片付けに戻った。


 以前の会社を首になったのは、直属の上司を殴ったことが原因だった。年下の小生意気な上司だった。

 何度も殴ってやろうかと思う出来事があった。それを日がな押さえ込んでいたのだが、ある日堪忍袋の緒が切れた。

 俺は即解雇だった。ちょうどよかった。辞めてやろうとずっと思っていた。


 働くのは嫌いだ。注意されるとカッとなる。しかし働かなくては生活が出来なかった。大学を中退した俺は、転職を繰り返していた。

 職場さえ変われば、環境させ変われば俺はもっと出来るのだ――そう思って転職を何度もするが、状況は一向に好転の気配を見せなかった。


 テレビ局の求人を見つけ、俺はこれだと思った。偉くなれば、芸能人の女を食える。テレビ画面の前で微笑むアイドルたちを見て、俺は早速履歴書の作成に取り掛かった。

 運よく転職活動は成功した。が、ADの仕事がまさかここまで辛いなんて思わなかった。辛いと聞いていたが、予想をはるかに上回るものだった。


 もう辞めたやる――そう思っていた俺の前に飛び込んできたのは、一枚のチラシだった。


『催眠術師になりませんか』


 クタクタになって帰宅すると、家のポストにそんな紙が入っていた。俺はゴミ箱に捨てようとしたが、中身が気になってじっくりと眺めた。


『今なら無料で講師がレクチャーをします。このチャンスをお見逃しなく!』


 講師がレクチャー? 胡散臭いものだったが、無料なのは心惹かれた。

 催眠術師になれば、あのムカつく人間たちを殴り放題出来る。それでいて解雇にもならないのだ。なんて素晴らしいことか。


 しかし、だ。そんな上手い話があっていいものだろうか。俺は短気な性格だが、こと金儲けの類には慎重だった。

 まあ、金銭的なものが出てきたらブン殴って止めてやろう。どうせそんなことには慣れている。


 俺はチラシに書かれた電話番号に電話をしてみることにした。