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~現在~

北海道S市

小栗俊太郎は支社長として、赴任した。

40代では初めての抜擢だった。

バタバタと引越を終え、翌日に出社し、就任挨拶を終える。

「よう、社長」

そう言って、社長室に、2人の部下がやって来た。

俊太郎が信頼する同期の、大山と中川だ。

「まさか、お前たちが異動願を出していたなんてな…いいのか?」

「いいも悪いも、俺たち3人、一蓮托生だろ?」

「そうそう。あの大失敗からのな」

「ああ、そうだったな…2人がいれば、おれも心強い」

「まあ、任せとけ。俊はそこでドンとふんぞり返っていればいい。社長なんだからな」

「そうはいかないだろう」

「いや、大山の言うとおり。社長はドンと構えてりゃいい。いざってときに、出てくりゃいいのさ」

「しかしな…」

「前任を支えてた、北村専務は優秀な方らしいし、3人で、この支社を本社よりでかくしてやるよ」

そんな事を話していると、ノックの後、その北村がやって来た。

「小栗支社長、初めまして、お待ちしてました。北村です」

「小栗です。今日から、世話になります、北村専務」

握手を交わす小栗と北村。

小栗より年配の白髪混じりの北村は見るからに、優秀な雰囲気を醸し出していた。

聞けば、小栗の前に、支社長就任の打診を受けたが、固辞したという。

「お噂は予々。会長直々のご推薦なら間違いないでしょう。お若いのに、大したものです」

「いや、会長の期待を裏切らないようにするだけです」

大山、中川が北村に挨拶をする。

「社長の腹心の部下ですね?実に心強い。共に、小栗社長を支えましょう!」

熱く、固い握手を交わす、北村と大山、中川。

「早速ですが、社長。本日は、S支社社員全員で、小栗新支社長の就任歓迎会の席を用意してありますから」

「流石ですね、北村専務。やることが速い」