「で、どうするんだい?おたべさん」
いきなり、小栗におたべさんと呼ばれ、狼狽える。
「どうするって何がや?」
「こいつを訴えるかい?こいつらのしたことは、犯罪なんだぜ?」
「それは、うちが決めることやない。当事者と親と学校の決めることや」
「まあ、それもそうか。さて、この件はこれで終いとして、次だ」
「なんや、まだ何かあるんかい」
「魔素羅尾高校として、このまま退く訳にいかないんですよ。理由はどうあれ、女子に負けたとなったらいい笑い者になる。まして、このクソみてえな奴のせいで笑われるのは真っ平ごめんなんだ」
「確かにな…気持ちはわかるわ」
「テッペン同士、タイマンでケリつけないか?おたべさん」
「ちょっと待ちいや。何であんたに、おたべさんいわれないかんのや?」
「俺は2年、おたべさんは3年。先輩だからさ」
「ま、まあ確かにな…」
「テッペンの宮脇咲良は?いないのか?」
「こっち向かってる所や。待てんのやったら、うちが相手してもかまへんで?」
「おたべ!咲良や」
「済まない、遅くなった。ああ、やっぱり終わってましたね」
遅れて現れた咲良に、釘付けになる、俊太郎。
「なあ、クロ…嘘だろ?あの娘がマジ女のテッペンって…」
「間違いないぜ、俊。彼女が、マジ女のテッペン、宮脇咲良だよ」
咲良の何処にも、ヤンキー要素はない。
どこから見ても、超絶カワイイ女子高生なのだ。
咲良はおたべから事情を聞いている。
「小栗!おたべさんから話しは聞いた。タイマン、受けて立つよ」