「ちょっと、止めてくださいよ」
「いいじゃないですか。どうせ溜まってるんでしょ」
「痴女ですか、あなたは」
「痴女です」
正樹のベルトが外され、いよいよペニスが出されようとしている時だった。
「ケダモノ!」
あれだけベッタリと絡んでいた優佳里がさっと離れた。
何が起きたのか分からない正樹は、ただ困惑して立ち竦むだけだった。
「正樹さんのケダモノ! 信じてたのに……」
オイオイと泣き出す優佳里。
正樹はもうわけが分からなかった。
「いやあ、あの」
「触らないで!」
伸ばした手は、優佳里によって払われた。
「私への当て付けも大概にして欲しいのに……」
「いや、全く仰ってることが分からないんですけど」
正樹はただただ首を捻るばかりだった。
青いメイド服に身を包んだ美久を見たのは、仕事から帰って来たばかりのことだ。
自宅から持って来たというメイド服。
その姿を纏った美久は、まるでおとぎの国から飛び出して来たお姫様のようだった。
「居候をさせてもらってますからね。しっかりと奉仕させていただきますよ」
そう言いながら家事をこなす美久に、正樹はただ苦笑いを浮かべるだけだった。
酒を飲んでベッドへ入ると、正樹は深い眠りに落ちた。
そんな正樹のベッドへ近寄る一つの影。
美久だった。
「失礼します」
布団を捲り、足元に隙間を作ると、美久はほふく前進をした。
小さな身体がたどり着いたのは、正樹の下腹部だった。
「メイドですからね。こちらもご奉仕しないと」
そのままスエットを膝下まで下ろすと、一気にボクサーショーツも同様に下ろした。
「これがおちんちん……」
ダラリとぶら下がった正樹のペニス。
美久は興味深そうにそれを見た。
兄弟のいない美久にとって、ペニスを見るのは、幼い頃父親と一緒に風呂へ入った時以来だった。
芋虫みたいだなと思った。
毛の生えた芋虫がいる。
美久は触ってみると、ふにゃふにゃとした感触だった。
「これで射精なんてするのかしら」
保健の授業で、精通のことは習っていた。が、実際に見たことなんてなかった。
こんなふにゃふにゃの状態で、精子なんて放てるのだろうか。
美久はペニスをひとしきり触っていると、変化が起き始めていることに気が付いた。
ふにゃふにゃだったペニスが、硬くなり始めている。
柔らかかった感触から一変、石のような硬さになってきている。
「すごい……」
そびえ立つペニス。美久の目は、好奇心の目から、妖しげな目に変わっている。
子供心に、これから何をすればいいのか分かった。
それは本能なのかもしれない。
「大きい」
美久は本能的にペニスを咥えていた。
正樹のペニスはすでに、少女の口に収まりきれぬほどに大きくなっていた。
「
一旦ペニスから口を離すと、美久は猫が水を飲むように舐め始めた。
舌をチロチロと出して、ペニスの裏筋を舐める。
そうすると、ペニスがピクピクするのが見えた。
(気持ちいいんだ)
本能的に、それが快感であることが分かった美久は、裏筋を徹底して舐める他に、睾丸を優しく揉んだ。
そうすると、ペニスはますますキュッキュとし始めた。
美久はペニスの様子を気にしながら、もう一度口に咥えた。
今度は咥えながら、顔を上下させた。歯が当たらないように注意する。
誰に教えてもらったわけではない。ただ、なんとなく次はこうすればいいと、頭の中でイメージが湧くのだ。
(美久は変態なのかな)
正樹の声が聞こえ始めていた。
苦しそうで、それでいて何かを我慢している声だ。
美久はひたむきにペニスを咥え続けると、やがてペニスがビクビクとし始めた。
もしかしたら射精をするのかもしれない。
美久は口からペニスを離すと、手に持ち替えて愛撫した。
好奇の眼差しで、ペニスを見つめる。
やがて――
「うっ」
短く正樹が呻くと、ペニスの先から白濁の液体がビュっと放出された。
それはまるで、ポンプを押して出る手洗い洗剤のように。
「出た!」
射精を目の当たりにした美久は、興奮気味に精子を眺めると、指で掬って舐めてみた。
「うへえ。苦い」
初めての味はネバネバとし、とても苦かった。
こんなもの、人が飲むようなものじゃない。
美久はさっさとティッシュで後始末をすると、何事もなかったように正樹の隣に寝転んだ。
狭いシングルベッド。正樹の顔は穏やかな寝顔だった。
「気持ちよかったですか? メイドらしく、ちゃんとご奉仕は出来ましたか?」
返事はなかったが、美久は満足そうに目を閉じた。
「いや、だから身に覚えなんてないんですって」
「嘘! 私というものがありながら、そんな小娘になんて手を出して……ケダモノ! 鬼畜! 外道!」
罵倒を受けながら、正樹は泣きたい気分だった。
夕方前に起きた時には、あんなにもスッキリとした目覚めだったというのに。
「いや、本当に手を出してませんから、信じてください」