「課長!なんか気持ち良いですね」
奈美が大きくのびをしながら呟いた。
「そうだな。なんかこういうの久しぶりだよ。なんかありがとな。みんな」
「なんですか課長~もう会えないみたいな言い方じゃないですか~」
舞ちゃんが泣きそうな顔になる。
「いやいやそうじゃなくて純粋にお礼だよ。俺なんかのためにいろいろと…」
一瞬沈黙があったが里美がちょっと笑いながら切り出した。
「課長のためっていうか私達のためでもありますよ」
「ん…?」
「ねー?」
奈美と舞ちゃんがニコニコしながら何度も頷く。
「私…あんなに気持ち良いH初めてでした…課長とのH大好きです」
舞ちゃんが恥ずかしそうに呟いた。
「おっ…いまこいつ微妙にコクったぞ」
奈美が舞ちゃんの頭を指で突っついた。
「あっ…中華も美味しかったです」
真っ赤になって言葉に付け足した。
「えっ?なにっ?杏仁豆腐が?」
里美がけらけら笑いながらからかう。
「ホントにドキドキしましたよ。店員さん入って来ちゃうし…」
「でも舞ちゃん、動きが止まったのは一瞬だけで…そのあとは…」
「かーーちょーーうーー…」
舞ちゃんが俺の口を手で塞いでバタバタした。
「はーっはっはっ…」
奈美も里美も足をバタバタさせて笑っている。
「大丈夫だって。私だったら店員さんがいる時にイカせるぐらいに頑張るよ。ねぇ奈美?」
「そうそう。男の人ってそういうの好きだよ。ねぇ課長?」
奈美がニヤニヤしている。
「嫌いじゃないです…」
一同爆笑だった。帰りにちょっとお茶をして帰途についた。また奈美の運転だった。
昨日泊まりだったから家に帰った方が良いと促したが、夜に帰るとみんな口を揃えた。
また何か起きるのではないかと楽しみではあったが一人になりたい気もした。まぁそれも贅沢
のような気もするが…。帰りの車の中ではみんな楽しそうに話をしていた。俺は乗ってから
あっさりと眠りに落ちてしまった。心地良い揺れと車の中の暖房が本当に気持ちよかった。
壁際に寄っ掛かって寝ていたつもりが、目が覚めると舞ちゃんの肩に顔を埋めていたようだ。
「んぁ…?…ごめん…」
頭をどかそうとしたが舞ちゃんが手をのばしてきた。
「大丈夫ですよ~まだまだ着きませんから」
「もっと楽にしていいですよ」
そういうと舞ちゃんは少し座る位置をずらして膝枕を促した。
それに甘えて太もものあたりに頭を置く。
ちょうど肌が露出している部分に顔があたる。
すごくいい。
なんだかいい匂いがするような気もする。
寝てしまうのが勿体無いような気がした。
しかし車の揺れがそうさせるのか、それとも太ももの温もりがそうさせるのかまた眠くなってきた。
そのまま家に着くまで眠ってしまった。
目を覚ますとマンションの駐車場だった。
前に座ってた奈美と里美の気配がない。
「…………」
「あっ…起きました?」
「んっ…うん……。ごめん。寝過ぎた」
「大丈夫ですよ。お二人は先に部屋に行きましたよ。車の鍵に部屋の鍵が付いてましたので」
「あんまり気持ち良さそうなのでそのままにしておこうって」
「ごめんね~なんか…」
「いえいえ、いいんです。ホントに。なんか甘えてくれてうれしかったです」
そういうと舞ちゃんは俺の両頬に手を当てて唇を重ねてきた。唇の先を何度か合わせるような優しいキスだ。
唇が離れたときににっこりと笑うと強くついててきた。
「はぁ……」
舞ちゃんのため息が漏れる。
「しばらくこうしてて良いですか…」
「うん……」